唯我独尊のホンダというイメージ
2000年代初頭、400万台クラブという言葉が流行りました。
詰まるところ、規模が大きくないと将来生き残れないよという話。国内メーカーが次々と他メーカーと提携する中、独立を保っていたのがホンダ。
一人で生きていくもんという姿勢にホンダの強さを感じました。
その後、400万台クラブという言葉は有名無実化され、400万台に達しなくても生き残れるということが証明され、ホンダにとっても追い風かと思いましたが、さにあらず。
マスコミの報道では、日産の不振が大きく取り上げられていましたが、実はホンダも大変厳しい状況だったことを知り驚きました。
朝令暮改のどこが悪い
遡ること5年前の2015年。前社長が就任の際に、世界販売台数600万台の目標を掲げ、生産能力を拡大しましたが、残念なことに生産はするも販売が追いつかない。
てなわけで路線を変更して、規模ではなく利益重視に転換。一度かかげた旗を下げるのはなかなか難しいものの、即断で方針を転換するあたり、このトップはすごいなと思いました。
これこそ唯我独尊というべきでしょう。
徹底した改革遂行。汚れ役に徹する
利益重視という目標を掲げるやいなや、様々な改革を行います。
まずは生産車両の統廃合。派生車や地域仕向車など増えすぎたバリエーションを整理。
続いてVWやトヨタが既に実用化している車台の共通化などなど。
ホンダというブランドからすると、ある意味、車両の個性がなくなっちゃうと批判されがちな車台の共通化に踏み切ったのは、覚悟の現れと言ってもいいでしょう。
さらに車両の開発部門、ホンダDNAの本丸とも言える研究所にもメスを入れ、本体のホンダに統合という大英断を敢行しました。
ホンダファン、OB、社内からもさぞ批判や反対の声が上がったことでしょう。が、利益重視の目標を掲げた以上、聖域もないということなのでしょう。
矢面に立つのは自分という、トップの男気を感じました。
新社長もこれまた男気あふれる人かも
これらの改革で一定の目処がついたことで、2021年4月に社長が変わります。
改革はほぼほぼ完了の域に達しているものの、業績はまだまだ厳しい状況。2015年に2.9%あった利益率は0.8%というもの。
とは言え、この厳しい状況を前に、新社長はワクワクするとコメント。ここから立て直しができるという自信の現れと言ってもいいでしょう。
正直プレッシャーに押しつぶされそうですが・・・。
なるか、ホンダらしさの市場を開くクルマ
ホンダと言えば、これまで世にない新ジャンルのクルマを創り出してきた印象があります。
オデッセィ、ステップワゴン、SMX、CR-Vなどなど。これらの新ジャンルのヒットを受けて、他車が追随して市場が広がっていきました。
これまでとは開発体制がかわりましたが、やっぱりホンダには新市場を切り開くようなクルマを世に送り出して欲しいという想いがあります。
今後のホンダの活躍が楽しみです。