自動車業界に大きな影響を与える工場火災
コロナ禍ということもあり、PCがバカ売れしたことも影響してか半導体が逼迫気味でしたが、そこに来てルネサスエレクトロニクスの工場火災事故。当初復旧には1ヶ月と言われていたのに、蓋を開けてみたら3ヶ月ほどかかるという。
てなわけで、自動車生産がさらに遅れてしまうという事態に発展。海外からの調達をメインにこの窮状を切り抜けようとしている訳ですが、そもそもこの手の話は先の東日本大震災の時も似たような事が起き、全くもって学習がなされていないんだなとつくづく思いました。
産業の米とも言われる半導体に米国も本腰
ところ変わって海外の半導体事情はと言えば、米中で激しい主導権争いが行われているの周知の事実。
世界的に半導体シェアの高い米国ですが、実はその大半はファブレス型企業が多く製造面においては海外に委託するケースが多いとのこと。
仮に政治問題がこじれて、米国からの発注は受けないよなって事態になったら米国も日本同様の状況に陥る可能性を秘めています。
てなわけで、半導体大手のインテルに政府側から製造面で支援を決定し、インテルにファブレス受託業務を再開させてました。
支援額は約4兆円というのですから、ある意味、半導体を守るための国策と言ってもいいでしょう。
封じ込め作戦で、ライバル中国は窮地?
米中の貿易問題で、この半導体をめぶる争いも激しさを増しています。中国への半導体メーカーに対する輸出規制にはじまり、ファーウェイ製の導入禁止などに見る中国企業の締め出しなどなど。
中国も、売られた喧嘩は買うまで徹底抗戦。半導体開発の企業を支援したり、時間はかかるでしょうが、半導体企業の育成に乗り出しました。
日本の半導体は世界NO.1だったのが嘘みたい
半導体がまだ逼迫まで至っていないものの将来に向けて色々と手を打つ米中の動きに焦りを感じたのか、日本もいよいよ動きだしました。
例えばファブレス受託業務で世界最大手のTSMCを誘致したのも、その一つ。業界内では、その規模はかなり小粒なものという評価で、まだまだと言われているようですが、大きな一歩であることは間違いないでしょう。
そもそも半導体は遠い昔、日本にとってはお箱中のお箱だったわけです。それが米国、そして韓国、台湾、中国にごぼう抜かれてして、凋落を招き国の主導による合弁会社、ルネサスエレクトロニクスができたのです。
それが今になって、集約化が仇となったのか、供給不足を招く結果となったのでしょう。
今後、半導体需要はさらに旺盛になることは必至。海外に求めるのもわかりますが、自国の産業育成という観点から、国内調達にも目を向けて欲しい。
そうすれば、半導体産業も盛り上がり、もしかしたら再び世界NO.1に返り咲く日が来るかもと思った次第です。