大方の予想を覆した勝利
大戸屋がコロワイドに買収される。ほぼ規定の路線かと思いましたが、大戸屋の株主総会で、コロワイドの提案はまさかの否決。
大方の予想を覆す格好となりました。この奇跡とも呼べる今回の件は、大戸屋の株主の大半を占める個人株主を味方につけた所がかなり効いていた感じがします。
コロワイド傘下になるとセントラルキッチン方式になる可能性大。となると、大戸屋の良さが失われる、店内調理の方がキャベツの鮮度を保てるといった中の人にとっては胸の熱くなるような声があったとか。
コロワイドの取り込み作戦に防戦一方
コロワイドも株主を取り込もうと、大戸屋買収が成った時には、500株以上の株主に対して、コロワイドグループで使える約4万円分の食事券を贈呈するなど、太っ腹特典を用意。
大戸屋の負けじと株主優待などの特典をつけて買収阻止を行いましたが、コロワイドの特典レベルまでには届かず、万事休すという状況でした。
このような不利な状況下で、買収を阻止できたというのは大きな意味があるかと思いますが、この努力も全て水疱に期すような第二弾の買収作戦が控えています。
とは言え、伝家の宝刀TOBが発動
今回の買収提案の否決を受けたコロワイド。万全の体制で買収確実と予想されていました。
事前アンケートでも9割以上が、コロワイドの大戸屋買収も支持していたのですから。
ここまで好材料が揃うと、気が緩むものですが、最悪の事態を想定し、TOBの準備も進めていたというのですから、コロワイドの危機管理能力は相当高いと言えます。
日和見の株主が多数いたのでは?
先のコメントで、熱烈な大戸屋ファンの株主に支えられている一面はあるものの、経済合理性を追求する株主もいるのではという声が上がっています。
TOBが発動すれば、市場価格に対しプラスアルファのプレミアムがつきます。
仮に手元の大戸屋の株価が一株1000円とした場合、プレミアムが3-5割増しつくので、1500円と仮定して、1000株持っていたら、50万円の儲けとなります。
コロワイドのお食事券4万円がかさんでしまう位の利益を手にすることができます。
まだまだ戦いは続く。大戸屋の受難
という訳で、今回の株主提案を可決に持ち込むと、実入りが少ないと思った株主が今回は反対に周り、TOB発動後に売りに出すと考えてもおかしくありません。
仮に売りに出さないとしても、第三者割当増資で、一株当たりの金額が下がってしまい、手持ちの株券の価値が下がってしまいます。
となると、なおのこと、株を手放す方向に動く予想されます。
熱烈なファンがこの状況においても株を手放さず、大戸屋を支持するのか、今後の動向を注視していきたいと思います。