貧富の格差を解消
お金持ちとそうでない人の差を表すジニ係数。
全世界で見るとブラジル、中国、アメリカが突出しています。
で、中国ではこの格差を是正しようと本格的な取り組みがスタートしました。
それが農村部を都市に移住させるというもの。沿岸部と内陸部での格差はよく知られているところですが、広大な土地ですから、小さな小さな集落が点在している。それでは一向に経済が発展しない。ならば、一つに集約して経済力を高めようということだと思います。
日本でも同じように、東京への一極集中が問題とされていますが、中国から見れば生易しいものなんでしょう。何と言っても日本の数倍はある国土ですから、国民に移住を委ねるよりも国が音頭を取ってやらないと難しいのでしょう。
そのまま放置しておけば、格差は広がるばかり。国民の不満が蓄積され、その矛先が政府に向けられ、治安が悪化。政情不安になるのが目に見ていますから。
新都市開発に着手
では受け例先をどこにするか。既に北京、上海はパンク状態。環境問題なども引き起こし、とてもじゃないけど無理。
てなわけで、新しい都市を開発して、そこに移住させようというプランです。
で、政府は2017年4月1日に、河北省の保定市(ほてい-し)に新たな都市開発を発表しました。
中国のシリコンバレーとも呼ばれる深圳(しんせん)市の成功をもう一度とばかりにかなり力が入っている模様。
格差是正の解消の他にも、開発にあたってインフラ、不動産開発など経済を活性化させることにもなり、都市開発は色々な面で好影響を与えるのではないかと思います。
あとは移住者が馴染むかどうか
政府の補助で、都市に移住したのはいいけれど、それまでの生活環境からガラッと様変わりすることは予想がつきます。
それまでは農業をメインにしていたのに、畑違いの職種のつくことになるのですから。
都市に馴染めず、また故郷に戻ってしまう人もも出てくるんじゃないかと。
で、都市を開発したは良いけれど、そのほとんどが都市部からの流入。例えば北京や上海の住民などがそれにあたるかと。
環境問題は是正されるかとは思いますが、真の目的である格差是正が叶うかどうかは疑問が残ります。
高騰する不動産
他の弊害としては不動産の高騰。先行投資とばかりに、都市開発の情報を入手するや富裕層の土地爆買いも問題になっているそうです。
日本で言うところのバブルというものが、中国では起きつつあるようです。
日本と同じ轍を踏まないことだけを切に願うばかりです。