手汗が半端ない飛行機上昇の瞬間
何度乗っても、なかなか慣れることができない飛行機。そもそもあんなに重い物体が空を飛ぶというのが信じられない。まさかての手違いで墜落もありえる。で、その多くは飛行機が空に飛び立つ時に多く発生する。ので、機体が真っ直ぐになるまで、心臓バクバク。早く機体が水平になってくれと心の中でひたすら叫んでいます。
で、今回の作品はまさに、この瞬間に起きた事故でした。乗り合わせていたら、もう生きた心地はしなかったでしょう。
原因はバード・ストライク
この事故は、当時日本でも大きく報じられていました。あれから10年近く立つというのに、つい最近のことと思えてしまうのは、それほど僕の中でインパクトの強かった事故だったのでしょう。
事故の原因はバード・ストライク。エンジンの中に大量の鳥がホール・インしたものだから、エンジンパワーが消失。つまり完全パワーゼロ。飛ぶ力を全て失ってしまったのです。
パニックの時は冷静に対処することを学ぶ
片方のエンジンがいかれてしまうというのであれば、再び滑走路に戻ることもできたことでしょう。けど、両方となるとトラブル時のカードを全て使い果たしたのと同じ。
事故から、ハドソン川に着水というとんでもないカードを切ったのはパイロットの長年の経験によるところが大きい。
しかも全く焦って様子もなく、淡々とトラブル時のマシンチェックをこなしていきます。訓練の賜物と言えばそれまでですが、機長、副機長の経験が大きく左右していたことは間違いありません。
乗員155名無事生還
ハドソン川に着水の瞬間は、結果は知っていながらもドキドキ。見事着水となり喜ぶ乗客ですが、次なる敵は水温2度という水。機内に入れば、そのまま溺死してしまう。
喜んでいる間もなく、外に出て翼の上に乗るように指示が出ます。
そして着水から6分後には周辺の観光船が飛行機の周りに集まり、次々と救助に向い、海上自衛隊的なヘリコプターも出動し、ダイバーが溺れている数名を救助。このような人達の迅速なチームプレイのおかげで死者を出すことなく、奇跡を起こすことができたのです。
着水してから24分で全員救助という早さが素晴らしいチームプレイだったことを物語っています。
英雄は個人ではなくチーム
この話美談として語られていますが、アメリカでは事故の公聴会が開かれ、パイロットの行動は間違っていたということで訴えられてしまいます。
片方のエンジンはまだ生きていたのでは?とか、シミュレーションをしたら、十分、他の空港の滑走路に帰還することができたなどなど。
家局の所、パイロットの証言が正しいと証明され、事故調査チームの訴え退けられるわけですが・・・
最後に奇跡を起こしたのは機長のおかげという声に、機長がいやいや、このチームは副機長をはじめ、スチュワーデスの方々、乗員、救助に駆けつけた観光船のスタッフ、海上自衛隊的な人達の組織プレーのおかげという事がやけに印象に残りました。