皇帝の末路が悲しすぎる
時は第二次世界大戦真っ最中。ドイツがポーランドに電撃的進軍を成功させたちょっと後位。
で、舞台はオランダの元皇帝のお屋敷でのお話。家主は最後の皇帝、ヴィルヘルム二世。写真でぐぐってみたら作品に出ていた役者さんとうり二つ。見事に寄せきっています。素晴らしい。
なぜ、ドイツ皇帝がオランダにいるかって言うと、第一次世界大戦の戦争責任を負う形で本国ドイツではなく、オランダに移住させられたという訳です。
現政権はヒトラーが総統として君臨。前皇帝などとと揶揄され、いつかは復権していやるという野望を捨ていない所が、痛々しくて痛々しくて。
大きな屋敷でたくさんのメイドに囲まれ優雅な暮らしができるのは、これ全てナチスのおかげ。なのにヴィルヘルム皇帝と来たら、現政権ナチスの批判をするばかりで、奥様は冷や汗たらたら。
そんな事言ったら、生活費のストップはもちろん、命まで奪われるわよと夫をたしなめることしばしば。
ナチス常駐で大騒ぎ
そもそもナチスにとって君主制を望む輩は現政権にとっては敵。そんな中でのヴィルヘルム皇帝の言動は看過できない。
てなわけで、お屋敷にナチス軍を常駐させることに。建前としては皇帝の命の保全とのことですが、実際の所は反対勢力の監視。
で、そこに赴任してきたのが、若き大尉。
が、彼の役目は皇帝の身の安全を守ることでもなく、口封じでもない。真の目的は、屋敷内のスパイのあぶり出し。
常駐してしばらくすると、予想は的中。屋敷周辺の集落からイギリス向けに電波が発せられていることをキャッチ。
が、犯人を捕まえることできませんでした。
きれいなメイドさんに一目惚れ
スパイ探しでおお忙しい大尉でしたが、あろうことか屋敷内で働くメイドさんに一目惚れ。
メイドさんもまんざらでない様子で、二人は恋仲へ。どんどんと愛を深めていきます。
そしてある時、2人の関係が、ヴィルヘルム皇帝にもバレることになり、2人の人生は終わったかなと思ったら、お咎めなし。
むしろ私も若い頃はやんちゃしたとばかりに逆に擁護。できた爺さんだなと思いました。
さらに驚きの展開
そうこうしている内に本来の職務であるスパイをとっ捕まえることができた大尉。
が、素直に喜べない事情が・・・。このスパイ活動、単独犯ではなく他にも仲間がいるようで、それが自分の恋人でもあるメイドさんだったのです。
メイドさんに扮した彼女の本当の招待はイギリスのスパイ。チャーチル首相の命で、皇帝の身の回りを監視し、場合によっては亡命を支援しろと本国のチャーチル首相から密命を帯びていたのです。
彼女がスパイであることを早くから知っていた大尉。さすがエリート将校だけあって勘が鋭い。
2人の行く末はいかに。恋人を取るか仕事を取るか、とんでもない結末が待っています。ぜひご覧ください。