デサントと言えば
競技用水泳のウェアとして団塊の世代から圧倒的な支持を得ていたデサント。
ウチの小学校では水泳のうまい子は誰もがデサントのウェアを来ていました。
逆にそれほどうまくないのにデサントを来てしまうと周りから冷たい視線を浴びせられるほど。
といった具合に水泳用のウェアメーカーさんと思いきや様々なスポーツウェアを手がけていることを初めて知りました。
デサントの歴史を振り返る
デサントの歴史を語る上で欠かせないのが伊藤忠の存在。
1964年にデサントは伊藤忠と共にゴルフウエアの米マンシングウェアと提携。1980年代にはスポーツ衣料品の在庫が積み上がり、一時業績不振に陥ります。
その時、伊藤忠から役員が派遣され、業績は回復に向かいました。
その後、伊藤忠出身の方が社長になったり、出資比率も徐々に引き上げられ今では約25%程もあるとか。
このように両者の関係は良好にも見えるのですが、最近になって関係がギクシャクするようになってきました。
伊藤忠にTOB発動か
伊藤忠としては現在の株式保有率25%が中途半端すぎるとのこと。経営に全く関与できず、責任をかぶるのは伊藤忠というのはおかしいといのが言い分。
2011年にはデサントの株を買い増そうとしてデサントに反対されたり、取引を増やすよう求めたのに、不採算の取引はのめないとつっぱねられたり。
らちのあかな伊藤忠は、株の買い増しを進め、保有比率を27%にまで引き上げました。
加えてデサントの株主の中国企業との提携も視野に入れ、両者でガッちゃんこすると株式保有率は特別事項への拒否権発動OKな1/3の株式を保有することになります。
このようにジワジワと攻められる一方のデサントが起死回生とも言うべき対抗策を打ち出しました。
デサントとワコールの提携
それがワコールとの提携です。
ワコールをホワイト・ナイトとして対抗するというもので、両者は昔からつきあいもあり、トントン拍子で話が進んでいきました。
伊藤忠と事を構えるのはきらい、同業他社にも声をかけても良い返事が得られずでしたが、ワコールが手を挙げてくれました。
どうなるこの先のデサント
この提携がなれば、一方はスポーツ系ウェア、一方は下着メーカー。販路もワコールは欧米、デサントはアジアに強いということでこの提携が実れば両者の足りない部分を補完し会えることとなり、良いのではないでしょうか。
伊藤忠がTOBを発動するのか、今後の動向から目が離せません。