そもそもは将来性だったけど
投資家が企業に投資するのはその将来性。リターンを目当てに投資するわけですが、昨今では投資先の環境への取り組みも投資の対象になっています。
これをESG(環境、社会、ガバナンス)と言っています。
これまで企業はCSRの一環として、ある意味、イメージ戦略という側面が強かったのですが今後はビジネスにも直結してくる訳で、今よりももっと踏み込んだ環境への取り組みが進んでいくと思います。
本当にあった投資撤退のお話
実際に大物投資家が環境への影響を理由に投資を撤退している事例がいくつも上がっています。
例えば世界最大級の100兆円規模の運用資産を持つノルウェー政府年金基金は石炭採掘を手掛ける企業や石炭火力の比率が高い電力会社への投資を引き上げています。
ちなみに、ノルウェー年金基金から投資を受けていた電力会社も次々と撤退の洗礼を受けているようで、日本でも環境負荷を理由に投資を引き上げられていることにびっくり。
他にもオランダ公務員総合年金基金やや米カリフォルニアの州職員退職年金基金も石炭関連への投資を縮小しています。
投資を受ける企業側でも変化が
丸紅が石炭火力発電所の新規開発から撤退したり、日本生命が石炭火力の新規プロジェクトへの投融資を行わないことを表明しています。
ソニーは、ESG対策を早々に打ち出し、2040年までには全世界の工場やオフィスで使用する電力を100%再生可能エネルギーにすると発表しました。
この発表を受けて市場の評価は上々のようで、株価は約7%上昇したとか。
投資のプロ達がこのような反応を見せるのですから、この先ESG戦略が非常に重要になってくることが伺えます。
他の企業にも広がる可能性大
ソニーのように石炭採掘などは手がけてはいないものの、工場では石炭火力で作られた電力を使っているとの理由で、積極的にESG対策をしました。
こうなると、ソニー限らず工場を持つような会社さんにもこれは当てはまりますね。
自然エネルギーの活用は既にどの工場でも進められてはいます。
この先、さらに自然エネルギーへの需要が高まっていくと思います。
リサイクルも大事でしょう。
二酸化炭素の排出の他にも、リサイクルという視点でも環境問題は語られています。
生産者の責務としてしっかりリサイクルのルートを作っていないと投資を引き上げられることは間違いないでしょう。
プラスチックのストローの使用禁止に真っ先に取り組んだスターバックスもESG対策の一環とも取れます。
やっと本気で地球温暖化に向けた取り組みが本格的に動き出したという印象を持ちました。