中学校時代からかなりのやんちゃっぷり
冷血非道のウシジマくん。腕っぷしも相当なもので、同業他社の怖いお兄さんに対しても怯むことなく手を上げてしまう度胸の良さ。
どんな人生を歩んできたのか、相当気になる所ですが、本作品ではその過去が平行して描かれています。
転校生だったウシジマくんは、転校そうそう、不良グループのボスに目をつけられ集団リンチの洗礼を受けます。
ここでおとなしくなるのが普通のヤンキーですが、その後の彼の復讐が徹底して、リンチに加わった奴を一人ひとり待ち伏せしてはボコボコ。
この一人ひとりに制裁を加えるところがウシジマ君らしい。
次は俺の番ということで、恐怖におののくのは必至。
相手の中で自分に対する恐怖を膨らませて、いつの間にか優位な立場に立つ。
緻密な心理戦も中学生で仕上がっているのですから恐ろしいとしか思えません。
そんなこわ~いウシジマくんをかおるちゃんと名前で呼ぶ友人がいました。
どちらかと言うといじめられっ子系ですが、彼の他人に対する愛の深さにウシジマくんにも通じるものがあったようで二人は学校を卒業しても良き友達として関係を継続していったのです。
友達であってもビジネスはビジネス
そんな友人が人の良さもあってか、その日暮らしの毎日でお金に困りウシジマくんの所へ来店します。
幼馴染ということで、多少はサービスするかと思いきや、一切の妥協もなく通常レートでお金を貸し出すことに。
さすがブレないウシジマくんにあらためて凄さを感じました。
ひどすぎる貧困ビジネス
映画の世界だけとは思いますが、この作品で描かれているのが貧困ビジネスと言われるもので、身寄りがなくお金に困っている人を集めて共同生活を強いて、肉体労働などを課して搾取るといった内容が描かれています。
社会と隔絶させた場所に囲って、朝から晩まで働かせる。給料はとんでもなく安く、とてもその給料だけでは食べていけない。
そんな貧困ビジネスにはまってしまったのが、先ウシジマくんのお友達だったのです。
彼は仲間の病院の行くお金を捻出しようと、ウシジマくんのところへ来たのです。
ウシジマくんは説得するものの、聞く耳は持たず、人は損得で動くようになると人間を小さくすると説きます。
ウシジマくんの考えとは真逆。とは言え、彼の行動を見るに人間を信じてもいいという心変化を表す行動を起こしたことに驚きました。
ウシジマくんもなんだかんだ言って、人の子なんだなと。