圧倒される切れっぷり
ここまで弁が立って、論理的で、聡明で、自信家で、皮肉屋のジェシカ・シンプソン演じるロビイストのスローン。彼女を見ていると
ドクターXの大門未知子のよう。
とにかく周りに敵がわんさかいるのがこの2人の共通点。敵対勢力に対しては「やれるものならやってみなさいよ。倍返ししちゅうから」ととにかく挑発的。それも負けないという絶対的自信があるから。
勢いに任せての口だけ番長は仕事をしている時によく目にしますが、ちょっとでも質問しようものなら、簡単に論破されちゃう脆さがあります。
が、彼女の場合、部下からのするどいツッコミにも逃げずに、論理的に部下に対し答える。
まさに非の打ち所のないパーフェクトなビジネスパーソンなのです。
ここまで切れ味するどい頭の回転を見せられると清々しい気持ちにもなります。
自分の信念に従い弱小チームn移籍
作品の骨子となるのが銃規制に関する法案可決というもの。
アメリカの政治のことは詳しく知りませんが、とにかくこの法案に対して賛成か反対かのを議員で投票してもらい、可決か否決かが決まるというもの。
で、ロビイストというのは議員からのオファーを受けて、様々な活動を行い報酬を得る仕事のようです。
で、スローンの所属するロビイスト会社は銃規制反対側。つまりこの法案を否決に追い込むことが彼らに与えられたミッションでした。
が、彼女の考えは銃規制賛成。というわけで自分の信念を曲げることをよしとしない彼女は、部下を引き連れて今よりも規模の小さなロビイスト会社に転職を決めます。
転職当日、部下に対して会社に残るの?それとも私と一緒に移籍する?というシーンはシビレもの。
部下の半分は彼女についていくこととなりましたが、腹心中の腹心の部下だけが彼女と袂を分かつという想定外の事態に。
去り際に彼女の発した徹底的にぶちのめる的な捨てゼリフはは、残った部下にとっては夢にまで出てきそうな悪夢になったことでしょう。
そこまでするかロビイ活動
彼女に与えられたミッションは、一人でも多くの議員を銃規制賛成に票を投じさせるというもの。
議員を接待したり、支援者団へのアプローチ、SNSなどのネットを使ったPR、マスコミを使った言質取りなど、とにかくやること満載。
時には俳優さんをやとって議員の資金集めパーティに質問者として潜り込ませて、議員から銃規制賛成の言質を取るなどやることが細かいこと、細かいこと。
挙げ句には盗聴、盗撮など倫理的にどうなの?という技も繰り出す始末。しまいには部下を銃犯罪の悲劇の被害者としてマスコミに売り出すし、部下からの信用を失うなど、とにかく勝つためには何でもやるというスタンス。
この試練さえも計算されていたもの?
この出来事をきっかけに会社からも総スカンを喰らうは、元在籍していたロビイ会社からは個人攻撃キャペーンを仕掛けられるわで、窮地に追い込まれていきます。
絶対的強さを誇る彼女でさえ、とうとう負ける時が来たのかとそう思いました。
が、エンディングの聴聞会で一発逆転ホームランが放たれます。
鮮やかなる形勢逆転に再び作品の最初に感じた爽快感が蘇るとともに、この人、敵にしたらマジ怖いと思った次第です。