現実とは別の人格が当たり前の時代
現実の世界では毎日職場とお家の往復運動だけれども、仮想世界ではカーレースで一番になったり、有名人扱いされて周りからチヤホヤされたりと刺激に満ちた生活が送れる。
そんな夢のような世界を描いたのが本作品です。
遠い昔にリンデンラボのSecond Lifeという仮想空間社会が話題になりましたが、あの仕組みに半リアル的な要素を付け加えられています。
バーチャルの世界で殴られれば、振動によって疑似体験ででき現実の世界と錯覚するほど。
よくできた仕組みもあってか、全世界の人達を巻き込んだ巨大な仮想空間が出来上がり、そこでお金を稼ぐものや1日の大半の時間を仮想空間に費やすという人もいます。
開発者からの贈り物
仮想空間オアシスの開発者ハリデーは、あるお宝物をゲームに仕込み、探し出したものには報奨を与えることを発表します。
その報酬とは開発会社の株相続で約5000億ドル。さらに仮想空間オアシスの運営も譲渡するというもの。とんでもなく大きな人参をぶら下げられたものだから、一般プレヤーはもちろん、企業も巻き込んだ争奪戦が繰り広げられます。
開発者を知り尽くしたもの勝ち
一生遊んで暮らせるような報酬を設定したこともあり、そのお宝探しの難易度もチョー高め。ハリデーがお宝を発表してから5年の歳月が経ったものの未だ手がかりはゼロという状況。
手がかりとなるのが開発者のアーカイブ映像。彼の生涯を振り返り発掘に繋がるヒントを探り仮説を立ててトライ&エラーを繰り返します。
その数が多ければ多いほど、自然と開発者の人となりを深く知ることができ、自然の彼色に染まっていく。それを開発者ハリデーは狙っていったのではと勘ぐってしまいます。
エゲツない法人パワー
お宝採掘者の企業ともなると、マンパワーで一般人を圧倒。数にモノ言わせてお宝発掘を目指します。
時には一般人の邪魔することも。次第に一般人採掘者VS法人採掘者という構図となり、激しい戦いが繰り広げられ、その争いは現実世界にも広がっていきます。
英雄になりたいよー
一般人代表として、法人組織に立ち向かう主人公。その姿はまさしく勇者そのもの。多くの市民の心を鷲掴みにしたメッセージは鳥肌モノ。仮想空間だとこうなこともできるんだよなとうらやましく感じましたよ。
お宝は見つかるのか否か、そして一般採掘者と法人採掘者の勝負の行方は。最後まで目が離せません。ぜひご覧ください。