想定の範囲内の回答
ルーティンワークはAIで、電話応対はAIで、見積もり作成もAIで。てなわけで、行き着くところはAIが人間の仕事を奪うなんて言われ、自分自身も危機感を感じていました。
ところが、一歩先ゆくAI先進企業でも導入に失敗している例が多いようで、ちょっと安心。
例えばソフトバンクの場合は、あのペッパー君を企業に売り込む際、AIを駆使して営業対応を試みたものの、これが想定の範囲内の返しができないようで、お客の状況に応じてうまい回答ができない。
てなわけで、現場ではAIが全く使われないとう悲劇が・・・
とは言え、簡単に諦めない所がソフトバンク。今では機能を絞り込んで、見積もり作成ツールとして活用しているとか。
本格導入までにはまだまだ道は長そうな感じがします・・・
費用対効果を考えると・・・
続いては、とある地方銀行でAI導入を試みたという話。顧客対応にAIを活用すべく、約1万件の顧客のやりとり情報を学習させ、AIの判定もまずまず。
これまでサンプリングを抽出しての作業だったものが、全件を対象したもんのになり、より精度の高い顧客対応が共有できると思っていました。
が、実運用となりAIの会社からの見積もりを見てびっくり。
金額は年間で1千万円を超えるレベル。これなら人を使って顧客対応情報を分析した方がまだ安く済む。てなわけで、泣く泣くAI導入を断念したとか。
技術は優れていても、費用面ではAIはまだ高額な商品なのでしょう。
取引先との調整も必要とは
最後に、取引先との関係でAI導入を断念したというお話。とある部品会社で検査工程をAIに任せて工数の削減を試みました。
膨大な写真を読み込ませ、不良品を学習させ、かなりの精度で不良品をはじくことができる。これまで限られた人間による目視によるチェックが平準化され効率もアップ。
会社としてもこれはイケると確信し、取引先に説明した所、出た答えはペケ
理由はAIによるチェックが不安というそもそも論的な理由。やはり人の命を預かる商品なだけに取引先も慎重。万が一の事故が起きた時を考えると、AIよりも人間の方が安心とのこと。
こうして、これまた泣く泣くAI導入を断念せざるを得ない状況においやられてしまったようです。
それAIじゃなくてもできるでしょ
このように想定していた性能が出せない、費用面、取引先との関係上など、AI導入にいたるまでには様々なハードルがあることに気づかされました。
まぁ無理して、AIを導入しなくても既存の技術でまかなえるものも十分にあり、急ぐ必要はないのかなというのが個人的な感想。
一番良いのは、日々の業務のログを常に収集して、ある日を境に、サジェッションしてくるようなものがあるといいのかなと。
例えば見積システムで、金額を算出したとします。
すると、現在の市況を勘案すると、もう少し値上げしても行けますよとか、とある資源がだぶついているので仕入れの調整をしてみてはいかがでしょうかとか。
といった具合にリアルタイム情報を駆使して、アドバイスをくれると良いんですけどね・・・・