日本のお米を支える神明
減反政策などを耳にすると、農家の人も大変だなと。
基本的にお米は日本の歴史を振り返ると国が管理していると思っていましたが、民間でも管理をしていることを知り驚きました。
米卸の最大手神明が、まさしくそれですが、商売はそうですが、日本のお米文化を絶やさない企業姿勢には好感が持てます。
パン食に押されたり、糖質制限で健康美容関連でお米が敬遠されたり、お米を取り巻く環境は厳しさを増していますが、大口の供給先を抑えてお米消費の活性化の取り組み。選んだ先はお寿司専門店。
確かにお米消費を考えると理に適っています。
供給先を抑える戦略
2015年に元気寿司を子会社化したことを皮切りに、2017年に業界最大手のスシローの株を約40%取得。
こうしてお米の大量に消費する供給先を抑えました。
で、さらに一歩踏み込んで両者を経営統合をさせることで消費量を増やそうとした訳ですが、事はそう簡単に進まず、最終的にはスシローの株を手放すという結果に。
てなわけでてなわけで戦略の見直しを迫られる格好となったわけです。
スシローの快走
スシロー株を手放す最大の理由は、スシロー株の上昇。
2017年時点、神明が取得した時の株価は約4000円。それがあれよあれよと2年で倍近い株価に。
株主としては嬉しい悲鳴ですが、経営統合には株を買い増す必要がある。
倍近い価格となった株価を変えるかというと体力的には難しいと判断したのでしょう。そもそもスシローの株価取得も借金して買ったこともあり、これ以上借金は増やせないと思いが働いたのでしょう。
てなわけで、株を手放して上がり益を得ることを選択したのでした。
そもそもスシローでは、神明からではなく全農パールライスからお米を仕入れており、神明の思惑どおりに事が進んでいなかったという事情もありますが・・・
元気寿司も負けていない
一方、神明の子会社元気寿司は、スシローと異なりある程度、経営のグリップを掴んでいますが、これまた業績がすこぶる良い。中国を中心にした海外店舗数は国内の店舗数を上回るほど。
そんな絶好調、元気寿司状態の中にあって、スシローと合体するのは中の人にとってはあまり喜ばしいことではないと映ったのでしょう。
回す寿司か回さない寿司か
最大の理由はオーダーを受けてから寿司を握る鮮度重視の元気寿司とオーダー前からメニューを提示して選ぶ楽しさを重視したスシローの経営の根幹で大きな違いがありました。
てなわけで、大量消費先を失った格好の神明ですが、これに懲りずに日本のお米文化を絶やさないよう頑張って欲しい限りです。
米好きの僕としては・・・