今年はおとなしめの展示会
毎年開催される欧州最大の家電展示会IFA。話題の主役はいっつもサムスン。2018年は8Kテレビを発表し、関係者の度肝を抜く発表がありました。
これまでも、IFAでは話題に事欠かなかったサムスンでしたが、2019年の展示では、これといった話題性のあるネタも少なく、ブース規模も縮小。関係者によるプレゼンも本国ではなく欧州の統括ボスとスケールダウン。
全体的におとなしい印象を与えていました。
それどころじゃない理由
一世一代の晴れ舞台となる展示会。否が応でも各社力を入れてくるものなのに・・・
どうしたサムスン?という声が聞かれるのも、業績がダダ滑りというのだから納得です。
2019年4-6月期の営業利益は対前年比で56%減と目も当てられない惨状。主力の半導体事業が芳しくなく、こやつが足を引っ張ったとの主張ですが、他にも懸念材料がいくつも・・・
ファーウェイの猛追
長きにわたり世界トップシェアを堅持してきたスマホ事業ですが、近年では中国勢の猛追に会い、往時の勢いは影を潜めてしちゃいました。
IFAの会場では、サムスンとは対照的にファーフェイブースでは新型スマホを発表し、多くの来場者でごった返したというのですから、世間の目は今、ファーフェイに向けられていると言っても過言ではないでしょう。
米中摩擦の余波で、逆風の吹いている最中でもシェア2位を維持しているファーフェイ。
この先、制裁が解除されたら、もしかしたらトップの座が入れ替わるなんてこともありえます。
薄型テレビも厳しい
スマホと並び世界トップシェアの薄型テレビもこれまた安泰とは言えず、こちらも中国勢の猛追にあえいでいるとのこと。
TCL集団、ハイセンスが世界的にも勢いを高めつつあり、その余波はサムスンのみならず日本勢にも。
パナソニックの中の人いわく、中国勢の出荷増を受け価格下落の勢いが止まらないとのこと。
薄型テレビ市場全体では縮小が進むと言われ、この先競争が激化する恐れがあると思われます。
復活するでしょ。サムスンなら
主力の半導体、世界トップシェアのスマホと薄型テレビ。どれも厳しい状況に置かれているサムスン
展示会で規模縮小になるのも無理はありません。
この先の成長に向けて今は我慢の時とでも言いましょうか。
モーレツ社員で知られるサムスンですから、この逆境を跳ね返して輝きを取り戻せると信じています。
新たな飯の種を育ていることは十分に考えられます。
いつか、その事業が日の目を見ることを期待したいと思います。