しがないストリートミュージシャン
3ピースバンドの本格的なストリートミュージシャン。それなりに見物客もいて、そこそこ実力も実績もある。けど、ボーカルの声が小さすぎる。
周りの音にかき消されて全く聞き取れない。鼻歌レベルの音量ともなれば致し方ない。
けど、ある意味、新鮮に写ってこれもこれでありなのかなと思いました。
吉岡里帆が何気に歌がうまいからなんでしょうね。
そんな彼女の歌声にビビッと来たのが阿部サダヲ。プロから見れば十分魅力的に映るったのでしょう。
世界的ロックスターの阿部サダヲ
というのも、阿部サダヲ。役どころは世界的ロックスター。とてつもない声量で多くの若者のハートを鷲掴み。
そんな彼に認められたのですから、彼がプロデュースすれば売れること間違いなし。
で、彼のアドバイスはいたってシンプル。音量を上げろというもの。
もっと大きな声を出せばおまえの歌はもっと多くの人に届くとのこと。
てなわけで、彼の特訓が始まるわけですが、その過程で彼のある秘密が吉岡里帆の知る所となります。
それが、実際こんな事あるのかいと驚かせれた声帯ドーピングというもの。
まぁ、ドーピングだけに副作用があるわけで、これがゴジラばりの火の吹き方で血を吹き出すというもの。
最初はパフォーマンスかと思いましたが、予想もしなかったアクシデント。
この一件で世界的ロックスターは引退を余儀なくされるわけですが・・・
田中哲司の振り切り方が秀逸
脇をかためる俳優陣で特に異彩を放っていたのが田中哲司。
阿部サダヲのプロモーター役として登場します。
頭頂部はハゲヅラで脇は長髪。どう見てもコントにしか見えない出で立ち
パンイチで千葉雄大とのからみシーンは秀逸。
渋い演技で硬めの役どころの多かった彼が、こんな役も引き受けるなんて、度量の広さを感じました。
もしくは、あの件に対する禊の意味も込められているのかなと勘ぐってしまいましたが・・・
えっラブストーリーだったの
この作品、どこに着地するかが全く見えません。
小さな声しか出せない吉岡里帆に対し、才能があるんだからもっと大きな声を出せとアドバイスを送る阿部サダヲ
ってことは、彼女のサクセスストーリーを描いた作品かと思いましたが、最後のキスシーンで本作品のメインテーマがはっきりしました。
これってラブストーリーものなんだって。
お互いに惹かれ合う所が合っていたんです。親切心でアドバイスをしていた阿部サダヲ、何かと世話を焼きたがる吉岡里帆、これって全て恋心のよるものだったのだと。
てな訳で、最後のキスシーンでちょっと興ざめしてしまいました・・・
サクセスストーリーに寄せたエンディングも見てみたかった・・・