ルイヴィトン、ティファニー買収なかったことに
既に買収は決定されていたのに、直前になってまさかの白紙。
理由はティファニー側が、買収金額の値下げに応じなかったからというもの。
僕的には、ティファニーが断るのは当然の結果だと思います。
お互い合意した上で、買収金額を決めたのにコロナ禍で状況が変わり、後出しジャンケン的に条件変更されても、断らざるを得ないでしょう。
違約金を払う方がまだまし
このように直前になって、もしくは既に買収済みなのに撤回する動きが海外では当たり前のように起きているようです。
ボーイングがブラジルのエンブラエルとの事業統合を撤回したり、米サイモン・プロパティ・グループが、同業のタウブマン・センターズの買収を撤回したりなどなど。
買い手側の言い分としては、買収後の事業運営がコロナ禍により非常に厳しいものになり、違約金を支払う方がまだ損害を抑えることができるというもの。
理由は自腹を切るから
仮に事業統合して業績が右肩下がりの場合、その責任を経営陣が自腹を切って補填するという制度が海外にはあります。
それがクローバック条項というもので、投資に伴う損失や不祥事などが発生した場合、支払い済み役員報酬を会社に強制返還させるというもの。
こちら米国では2017年時点で製造業の9割が導入済み。
と考えると、米国の経営陣は自身の生活をかけて経営に臨んでいるとも言え、企業買収も自分ごととして真剣に取り組んでいるのでしょう。
所変わって日本ではどうよ
クローバック条項が米国ほど導入されていない日本の企業買収事情はと言えば、これまで通りドタキャンが当たり前の今の海外と異なり、きっちりと契約通りに事が進められています。
昭和電工による日立化成の買収も、2020年3月24日にTOBを始め、買収がなり、日立化成は6月19日に上場廃止になると発表されました。
この一件を聞き、海外の投資家達からは驚きの声が上がったとのこと。違約金を払ってでも買収撤回すべきという論調が大勢を占めているようです。
これもニューノーマル?
てなわけで、これまでは企業買収後に撤回する動きなどありえないと思いましたが、コロナ禍で環境の大きく変わり、常識的だったものが次々と覆されている印象を受けます。
生活様式から働き方、企業経営など、全てがニューノーマルに移行していくのかと思った次第です。
変化は素直に受け入れるべきですが、もう少しスピードが遅くても・・・。数ヶ月でこうも激しく変化してしまうと心と体がついていけましぇん・・・。