素材まで抑えるテスラの本気

EV自動車業界

レアメタルと言えば中国を思い出すけど

確かリーマンショック直後の2009年頃だったと思いますが、レアメタル素材の輸出国である中国が、環境保全を理由に輸出を絞り、日本を含め諸外国が大騒ぎしました。

レアメタルの多くは、バッテリーに使われるものが多く、携帯電話、パソコン、ハイブリットカーなど様々な製品に影響が出るということで、調達先を変えたり、はたまたレア素材を使用しないバッテリー開発も進められました。

あれから10年経った今、中国に頼ること無く調達先の幅を広げ、レアメタル枯渇危機は脱したように見えますが、テスラの動きを見る限り、依然として希少な素材ということは変わらないように見えます。

様々な企業からバッテリーを調達

テスラーはこれまで外部からバッテリーを調達していました。パナソニックとギガファクトリー建設は大きく報じられましたが、他にも韓国のLG化学や中国のCATLからも調達するなど、サプライチェーンは充実しています。

けど、これだけでは安心できないのでしょう。バッテリーの素材であるコバルトを抑える動きもまた同時に進められているのです。

バッテリー素材、コバルトを抑える

スイスの資源大手グレンコアからコバルトを調達すること発表しました。グレンコアはコバルト生産の世界最大手。

テスラの他にも、中国資源リサイクル大手GENや韓国のSKイノベーションにもコバルトを提供しています。

レアメタル素材の調達を自社で管理し、バッテリー供給会社に提供して、仕入れ価格を抑えるというようにも見えます。

これによりコバルトが枯渇しているから、バッテリー価格をちょいと値上げしますということもなくなるわけです。

他社も負けてはいません。

バッテリーの素材を抑えて、かつバッテリーの供給会社を幅広く抑える。

盤石のサプライチェーンを構築したことで、EVの覇権を揺るぎないものにしようとしているのでしょう。

が、テスラ独走させじと各社の取り組みも活発化。VWは中国のバッテリーメーカーに出資、トヨタは中国のBYDと合弁会社を設立するなど、テスラに負けじと様々な動きを見せています。

コバルト埋蔵量で世界の6割。コンゴ

コバルトに限れば、世界の埋蔵量の6割を占めるのがコンゴ。児童労働で社会問題となっています。

グレンコアからなどの資源大手からの採掘発注となるわけですが、これがテスラにもその責任ありということで、人権団体から訴えられる騒ぎに。

レアメタルの調達も色々と問題を抱えているようで大変だなと思った次第です。

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