楽しいバカンスが一転。恐怖のどん底に
長期休暇を取って海外旅行。存分に仕事を忘れて楽しむぞと思ったのに、とんだ災難に遭ってしまった実話に基づくお話。
インドのムンバイで高級ホテルが数名のテロリストに襲われるというもの。
既に駅ターミナルなどで無差別テロで数百名の死者が出てムンバイ市中は騒然。急ぎホテルに戻ろうとする旅行客でしたが、ホテル側も安全対策のため入口を封鎖。
とは言え、増える一方の避難者を見捨てるのも申し訳ないと思ったのか、入口を開けることにしたのですが、これが悪夢の始まりだっとは誰も予想しなかったでしょう。
数名のテロリストなのになすすべなし
この避難者と一緒にホテルに侵入したテロリスト。入るや否やロビーに集まる人々に向かって発泡。
逃げ惑う人や銃に撃たれてその場を命を落とす人などまるで地獄絵図。
テロリストは数名なものの、連射機能付きのライフル銃なだけに皆防戦一方。彼らに立ち向かうのはほぼ無謀といった感じ。
ロビーを制圧したテロリストの次なる標的は、宿泊客を一人ひとり殺していくという恐ろしい計画。
彼らを操るボスは、貧困になったのは欧米の富裕層のせいだ。ので、一人ひとり殺せば、貧困から脱することができると。
まだ20歳にも満たない少年の面影ありありのテロリスト。こうして洗脳されて命を惜しまずテロ行為に手を染めてしまうのだなと感じました。
料理長の男気に感動
テロリストに占拠されたタージマハル・ホテル。この危難に際し、料理長が立ち上がります。
ロビーに近いレストランから、従業員しか知らない秘密の小部屋にレストランの利用客を移動させるというもの。
その数50名以上。テロリストに見つかれば全員死を覚悟しなければならない。
ただし、レストランに留まっていてもいつかはテロリストに見つかってしまう恐れもある。
ということで、この危険な計画を実行に移し、見事、秘密の小部屋まで移動にすることに成功します。
これで救助隊が来るまで待機していれば安全と思っていましたが、テロリストにあっさりと見つかってしまい万事休す。
何とか侵入を妨げることはできたものの、再び仲間を連れてドアをこじ開ける来る恐れもある。
留まるか、動くか。生死を分けた選択
移動するよりも小部屋に留まることが安全と料理長は主張するものの、一部のお客はこの部屋から出て自力で逃げると主張。
お客に強く主張されてしまっては料理長もNOとは言えず、小部屋の重いドアを開けることに。
が、しばらくするとけたたましい銃声が鳴り響き、料理長の無念という表情がやけに印象的でした。
待ってました。特殊部隊やっと到着
テロリストのやり放題がやたらと目につきましたが、救助隊も少数ながらも頑張ってはいました。
地元警察数名。手には拳銃。ライフルと対峙するにはあまりにも心もとない。結果は散々でなすすべなし。
ムンバイには特殊部隊がいなかったこともあり、沈静化するまでに約12時間。
やっとデリーから特殊部隊が到着し、瞬殺でテロリストは一掃されましたが、もう少し早く到着していれば事態はここまでひどくはならなかったでしょう。
この事件、2008年に起きましたが、タージマハル・ホテルは翌年に復活し通常営業を開始しているとか。
死者の多くがホテル従業員だったということで、その勇気に多くの称賛の声があがっているそうです。素晴らしい。