即位期間はヴィクトリア女王抜き最長。
高祖母、つまりおばあちゃんの親がヴィクトリア女王と比較的近しい関係にあるエリザベス2世。
イギリスが歴史上最も輝いていた頃の女王様、ヴィクトリア女王。その血を受け継いだのか、エリザベス2世も在位期間が長く今なお継続中。
2020年時点で94歳。君主に即位してから数多くの首相を任命してきており、その中に、あのチャーチルも含まれているというのですから、いかに長い間女王様として君臨しているのかがわかります。
ダイアナの悲報で王室もてんやわんや
作品はダイアナの悲劇の中、エリザベス2世を中心とした王室の様子が描かれています。
ダイアナの悲劇は映画で見たこともありますが、世間の注目はそればかり。本作を見て、なかなか声明を発表しなかった王室側の理由も少なからず理解できました。
ブレア首相が八面六臂の大活躍
世間では、ダイアナの突然の死去を悲しみ、宮殿前には道を塞ぐほどの花で溢れ、ダイアナ妃がいかに国民に愛されていたことが伺えます。
一方、王室のだんまりを決め込む姿勢をマスコミ各社が叩く、叩く。ここぞとばかりに王室の批判を繰り返します。
この状況を改善しようと人肌脱いだのが就任直後のブレア首相。エリザベス2世に直談判して、国民感情をなだめるためにも王室としての声明を発表して欲しいと懇願します。
が、エリザベス2世は、この申し出をきっぱりと断ります。
400年の歴史の重み。背負っているものが凄すぎる
この状況は、マスコミが面白がって作ったものであり、それにのっかって王室が動くのは400年の歴史から見ても、あまりに浅はかすぎる。
今は母を亡くした息子たちの心情を思いやって、静かにしていることが最善。つまり動かないことが王室として、さらに孫たちへの思いやりだと。
これにはブレア首相もいたく納得したようで、王室をさらに擁護する姿勢を強めます。
彼が王室への理解を示したことは、大きかったのではないでしょうか。
男勝りレンジローバーを駆る
悩みに悩んだ挙げ句、声明を発表することになりますが、とにもかくにもエリザベス2世の女王様としての品位、意思の強さ、思慮深さを感じました。
これって18世紀頃のエリザベス女王、ヴィクトリア上にも共通するものがあり、女王様教育というのがあるのかと思うほど。
それにしても、一人でレンジローバーを駆って、山野を走り回るエリザス2世の姿は圧巻。
しかもクルマが動かなくなるトラブルに見舞われた時は、故障箇所を即座に突き止めるなど、男顔負けのメカ通。
戦時中は軍部で働いていたというのですから、納得しました。
本作を通じて、少なからずイギリス王室を知ることができました。