将来的には商用車が半分を占めるかもって
脱炭素に向け、トヨタが盟主となり国内の商用車メーカーの連携が活発になっています。
英国のある調査によると、現在、世界の新車販売の約3割は商用車が占めていると言われ、将来的には5割に達するとも言われています。というのも乗用車はシェアリングやサブスクなどで減少していくと予想され、一方の商用車は旺盛なネット通販の需要により、今後もさらに伸びていくというもの。
当然、環境に与える負荷も商用車によるものが大きくなり、ので、脱炭素に向けた取り組みが益々重要になってきます。
他業種も含め玉石混交の商用車業界。
この予測を知ってか知らずかはわかりませんが、環境意識の高い海外では日本よりもひと足早く脱炭素に向けた動きが加速しています。
例えばAmazonが新興の商用車メーカーリヴィアンに出資して、同社製のバン開発を進めていたり、中国のツーシンプルはVWやUPS、エヌディビアなどから出資を受けたり、異業種が盛んに商用車ビジネスに力を入れていることが伺えます。
このような状況を受け、危機感を感じたのか、日本国内でも脱炭素に向けた商用車連合が立ち上がることとなりました。
いすゞと日野で国内シェア8割だって
トヨタが連合体の盟主となり、2018年に提携を解消したいすゞと再び提携。提携の肝となるのがデータの連携。
日野、いすず双方で荷物を管理するシステムを持っているものの、メーカー間の互換性はなし。が、荷主側では、両者の車両を混在させて使っているのが実情。
これが積載率5割未満という効率の悪さを生んでしまっているとも言われています。積載率を上げれば、提携の第一目的である二酸化炭素の排出抑制に大きく貢献することは間違いなし。加えて長年の人手不足解消にもつながる。
トヨタ社長いわく、「メーカー目線ではなくユーザー目線に立った連携」という発表に納得しました。
各社が独自で進める車両開発も連携の背景に?
脱炭素という世界的な大命題のもと連携したわけですが、各社が海外企業と手を組んで車両開発を進めるといのも少なからず影響していると思われます。
例えば日野が中国のBYDと提携して電動商用車開発を進めていたり、いすゞがボルボのUDトラックスと経営統合して、技術開発で協力。ユーザー側では、物流大手のヤマトがドイツポストDHLとEVトラックを乗り出したり、それぞれが独自の動きを示しています。
今回のトヨタを盟主とした強者連合で、データ連携の他にも、中・小型トラックの分野で共同開発が進められる予定だとか。
共同開発車だらけになるか、日本の物流
国内シェア8割ともなれば、街には同じ顔したトラックが溢れることになるんでしょうね。しかも、その全てがデータ連携されて位置や荷物の量がこと細かく管理されている状態。互いが連携しあっているわけですから無駄がない。
今よりもトラックの台数も減るかも。しかもトラック専用レーンを設けちゃえば、もっと効率性が増すと思います。
効率性が上がれば二酸化炭素の排出量も大幅に下げることもできるわけで、日本の未来が楽しみでなりません。