キャスティングボードを握る緑の党
長きにあたりドイツの首相を務めていたメルケル首相が、退任されるとのことで心よりお疲れ様と言いたい。
昨今のコロコロ首相が変わる日本も見習って欲しいとも思います。
長きにあたり首相の座にいたメルケルさんですが、国民からの支持もさぞ高く、首相退任後もメルケルさん所属のキリスト教・社会同盟が有利かと思いきや、2021年10月の総選挙では得票率を大幅に落とし、第一党の地位を社会民主党に譲る格好となりました。
が、幸いなことにどちらも過半数には届かず連立政権という形になるのですが、その候補として存在感を高めているのが緑の党です。
環境最優先の緑の党
党名からもわかるように環境政策を強く意識した政党で、その政策が、国で発表してきたものより、ハードルの高いものばかり。本気度のレベルの違いを感じます。
例えばEUの掲げる2030年のCO2の排出量削減では、EUの目標が1990年比55%に対し、緑の党のそれは70%。
他にもメルケルさんが掲げた石炭火力廃止の件、2038年までという目標を緑の党では8年も前倒しして2030年を目標としています。
さらに2030年までにガソリン車の新車販売を禁止。政府が2035年と掲げている中、5年も前倒し。今からカウントすると10年もないことから、相当な覚悟を持ってやらないと実現は難しいと思います。
環境立国ドイツ。かと思いきやそうでもないみたい
原発を廃止し、再生エネルギーに力をいれているイメージのドイツですが、その道程は相当厳しく、2020年には石炭火力で約20%近く占めています。
2020年は風況が悪化したとのことで、このような残念な結果となったわけですが、自然相手のエネルギー開発の難しさを感じました。
思い出されるのは日本の脱炭素政策
石炭火力依存の日本にとっては良きお手本になると思います。自然エネルギー比率が日本に比べて高いのに、それでも苦労が耐えないドイツ。
そのような貧弱なエネルギー開発の中、EVに特化するのは確かに現実的ではないなと。
PHVやら燃料電池車、水素エンジン車を選択の幅を広げながら、自動車メーカーは検討していった方がいいのなかと。
PHVも全面禁止の厳しさ。緑の党
緑の党では、PHVへの補助削減も謳っており、これが実現したら自動車業界は大打撃を被るでしょう。
EVにシフトとは言っても、そこまでの繋ぎ、または脱炭素対策としてPHVは外せないピースですから。
とにもかくにも緑の党が連立政権の一翼を担うようなことがあれば、ドイツはもちろんEUの環境対策も大きく変化していくことでしょう。