太陽光パネル世界首位に驚き。今では見る影もありません・・・
2004年当時の太陽光パネル売上の上位は日本勢が独占。シャープを筆頭に京セラ、三菱電気が続いていました。
ところが2020年時点のシェアでは日本勢はトップ5にも入れず、中国メーカーが上位を占めています。
この15年近くで何があったのか。一つには中国の国を挙げての取り組み。大気汚染が社会問題を解決すべく石炭火力を縮小し、太陽光発電の普及を後押ししたのです。
機を見るに敏な中国人ですから、雨後の筍のごとく俺も俺もと太陽光パネル市場に参入する企業が相次ぎ、未曾有の消耗戦が展開されます。
こうして生き残った会社が気づいてみたら世界シェアトップクラスになっていたということなのでしょう。
再生エネルギーも制度設計も大事だよ
こうして中国国内の激戦を生き残った企業は震災後の脱原発、再エネシフトの波に乗り、さらにシェアを伸ばしたことは言うまでもありません。
この時には、国内勢ではなく海外勢に頼っていたというのですから、2011年時点で日本の太陽光パネルを生産する企業はかなり消耗していたのでしょう。
再エネシフトの起爆剤として政府が導入したFIT(固定価格買取制度)は、ある意味、中国企業を利する所となったのでしょう。
他にも、海外では発電事業が始まった時点で買取価格を採用するが、日本の場合は事業計画が認定された時点で買取価格が認定していました。
これにより、用地だけ取得し、まっさらの状態の土地が放置される状態を招き、日本各地で、使途不明な更地が点在する事態に。
買取価格は、その後値下がりましたが、制度導入直後に認可された事業者は、その当時の高値の価格を維持したままとなり、一部の事業者だけがウハウハ状態となった訳です。
制度設計のミスだという声もありますが、新制度を早期に浸透させていくためには歪みはどうしても生じしてしまうもの。致し方ない感じもします。
ので、後出しじゃんけんですが、今の現状を鑑みて制度を変更をしても良いと思います。
実は太陽光よりも風力の方が安定しているんだよ
こうして、自然エネルギー=太陽光発電というイメージが定着しましたが、安定供給面で行くと風力発電の方が望ましいとも言われています。
日照によって発電が変動する太陽光は、電力系統への負担も大きく、風力発電の方が負担は少ないとのこと。理想としては太陽光発電1に対し、風力発電は2が理想のようです。
とは言え、海外ほど普及が進んでいない日本の風力発電。遠浅が少ないという日本固有の問題も影響しています。さらに風力発電メーカーもほぼなく海外企業が頼っているのが実情。
太陽光パネルと同じ道を歩む可能性も高いですが、浮体式洋上風力は海外でも少なく、日本が海外と唯一勝負できる技術かなと。
とにもかくにも脱炭素は喫緊の課題であり、地熱、水力も含め多面的に自然エネルギーを検討する時期に入ったのかと思った次第です。