海外は「引き止めツール」として。日本は「戦力化」
米国のアマゾンやウォールマートで行われているリスキリングは、どちらかと言うと現スタッフの引き止め、あるいは宣教師育成という狙いがある一方、日本のそれは現スタッフの戦力化がメインといった感じ。
海外では戦力にならなければ簡単に解雇できるものの、日本ではそうは行かない。
ってことは現在抱えるスタッフをリスキリングによってデジタル人材に仕上げて行かなければなりません。
DXは働く人にも求められているんですよ。
昨今、やたらと耳にするDX(トランスフォーメーション)という言葉。デジタルを駆使することで生産性が飛躍的に向上と夢のようなお話ですが、それらのツールを操れる人がいないと始まりません。
ある調査によれば、DXが普及すると、2030年には従来型ビジネスに従事する社員がが210万人ほど余剰人員となり、DXを操れる人材が160万人不足するとのこと。
というわけで、DX人材への転換を狙い、日本では現社員のデジタル人材化が徐々に進められています。
DX人材育成。SOMPOの取り組み
損保会社のSOMPOはデジタル人材育成にかなり力を入れている企業のひとつ。
会社全体の取り組みとして、経営層、管理職、一般社員などクラス別にDXの教育プログラムを用意しているようで、掛け声だけではない本気度が伺えます。
ある社員の研修プログラムでは、AI、ビッグデータ 、アジャイル開発、デザイン思考を学ぶというもの。
そもそも、この御方、以前フィンテック企業との打ち合わせで話が噛み合わないことがあったようで、プログラムを受講したことで少しは改善されたようです。
確かにIT系の人は専門用語を連発して、機関銃のごとくしゃべりまくり、どこから質問していいのか困ることがあります。
しかも質問を求めたのに、質問返しされたり、その内容がある程度のデジタルの素養のある人でないとわからないもので、全くもって始末が悪い。
彼らの言っていることがわかることで、こちらからも的を得た質問ができる。デジタル人材の初歩の初歩とはまずそこからといった感じがします。
デジタル人材育成が当たり前の世に
政府もデジタル化に向けた人材育成などに3年間で4000億円の予算をつけることを発表しました。
世界に目を向けると、2020年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、リスキリングの必要性が議題に上がり、2030年までに世界で10億人のリスキリングを支援するプログラムの立ち上げが決まったとか。
てなわけで、世界的にデジタル人材がますます重要になってくると。
日常の仕事からDXを始めるとなると、まずはFAXでの注文は廃止し、全てメールに変更といった所からでしょうか。
まずは足元の仕事から一つ一つデジタル化していくことが意外と近道かもしれませんね。