負債総額は中国GDPの2%だって
経済に疎い自分でも中国の不道産会社恒大集団が借金で首が回らないという所まで知っていました。
返済日が近づき、次々と資産を売却して用立てしているものの、返済額には到底及ばない。そんな厳しい状況を見かねてか、中国当局が本格的に乗り出しました。
というのも、その借金の額が中国GDPの2%というのですから、恒大集団が倒産しようものなら、連鎖倒産も当然起きますし、社会不安を一層を煽るようなことにもなります。
当局主導で債務整理を行うのも納得が行きます。
土地は国のもの。地方政府の点数稼ぎの犠牲に?
そもそも中国の不動産の仕組みは、土地は国のものであり、国民はその使用権を地方政府から購入しています。
てなわけで、地方政府が経済を活性化させていくにあたり、手っ取り早いのが不動産事業なのです。商業施設、集合住宅地の建設用地をドンと用意して、民間企業に使用権を売りつける。
この商売がしばらく続いていましたが、ある意味、この商売が投機的な色があり、中国当局としても問題視していました。
立派なマンションを立てて、ゴースト状態という話は、よく聞く話。それがあちらこちらにあるというのですから、見逃すわけにもいかないはずです。
伝家の宝刀、3つのレッドライン発動
行き過ぎた不動産投機を是正すべく、中国当局が銀行融資の締め付けを狙いとした3つのレッドラインを発動しました。
その3つとは1.資産負債比率70%以下、2.自己資本に対する負債比率100%、3.短期負債に上回る現金保有。この条件に照らして不動産会社をランク付け。
ランクの低い会社には融資を絞るというもので、これに抵触してしまったのが恒大集団だったのです。
ある意味、肥大化する恒大集団向けの規制とも思われますが・・・。
大企業なのに自転車操業って・・・。
恒大集団が短期間で中国トップの不動産会社に上り詰めたのには、不動産などを担保に銀行融資を受けて次なる不動産開発の資金を捻出したいというもの。
これを高速で回すことで、とてつもない成長を遂げてきたわけですが、肝心の銀行融資が滞ってしまったことで、次なる手を打ちにくい、借金が返せないという悲惨な状況に陥ってしまったのです。
まるで日本のバブル経済を見ているよう
不動産を担保にした銀行融資と聞くとバブル経済を思い出してしまいます。
中国も同じ轍を踏むのかと思いましたが、そこはしっかり学習しているようで、秀才揃いの中国ですから、即座に次なる手を打っています。
3つのレッドラインを発動したものの、予想に反してダメージが大きかった、このままでは経済に与えるダメージも大きくなってしまう。
というわけで、すぐさま不動産融資の緩和に動き、地方政府では住宅購入支援策を打ち出し始めているとか。全てを規制するのはなく、実需のしっかりしている所は規制を緩めるなどメリハリのある施策を展開しているように見えます。
不動産を投機ではなく、実需に即したビジネスへの転換、健全な成長に徐々に移行させていく思いが感じられます。
それはそれとして、恒大集団はこの先どうなるのか。ほぼほぼ国の管理下にあるわけですが、こちらのソフトランディングの方が大変かもしれませんね。