オモロイ仕掛けで行動変容を起こす仕掛け学とは

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手指の消毒をしてくれる人がわずか0.6%をどうにかしたい

コロナ禍では当たり前となった手指の消毒ですが、コロナ禍前では習慣化されておらず、とある病院で調査した所、消毒された方はわずか0.6%。

消毒することは大事ですよと訴えても、一向に変わる気配がない。というわけで取り組んだのが、映画ローマの休日でも有名な真実の口を模した仕掛けを院内に導入。

このオモロイ仕掛けが功を奏し、消毒率は10%に跳ね上がったようです。

この真実の口の仕掛けは、甲子園球場にも設置されるようにもなり、真のファンであるかを判定するもの。こちらファンから大変好評のようです。

エレベーターの混雑を抑えて階段利用を促したい

このちょっとした仕掛け、試してみようかなを誘発する仕組みは、これまで中々改善できなかった課題に応用されています。

大阪駅のエレベーターの混雑回避という課題には、階段の利用率を上げることに着目。階段利用を促すために取った策は、階段総選挙というもの。

大阪駅の代表的な飲み屋街、福島、天満、どちらに投票しますかというもので、階段上にセンサーを設置。階段上は福島と天満で色分けしており、階段を歩くとセンサーが感知し、リアルタイムで利用者をカウントしていくというもの。

一見すると、飲み屋街の誘客キャンペーンのように見え、真の目的からズラしている所が肝。

ストレートに階段を利用してくださいとなると、どこかお仕着せ感を感じてしまいますが、総選挙となると、利用者側に選択権があり、お仕着せ感なし。自発的にやってみようという気持ちになるから不思議です。

あえて逆を行く。マナーの悪化する喫煙所を改善

街に設置されている喫煙所では壁に囲まれ、周囲の目も気にすることなく喫煙できる。喫煙者にとっては大変ありがたいですが、昨今では見られていないからと言って、マナーの悪い人が増加。

これを改善したいということで考案されたのが、街並みの景観に溶け込む喫煙所。透明のオブジェ風の壁は、まさに都心のビル群にマッチしたデザイン。

となると、景観を汚したくないという自然と働きます。ある意味、喫煙者も街のいち風景とさせることで、マナーを守って喫煙を自発的に促しているようです。

確かに歩行者の目にさらされるということも考えると自然とマナーを守る意識も働きます。

見せないがこれまで当たり前でしたが、オブジェ化して見せることで歩行者にも不快な印象を与えないでしょう。

オモロさ、参加型という新たな切り口

なかなか改善されない課題は、対象者の自発的な行動を誘発させることが肝。上からの一方的なお願いではなかなか行動に映してくれない。

そこにユーモアと参加性があると心は動くものなんだなと思いました。

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