実は中国経済への影響大。不動産業界
何かと世間を騒がしている中国の不動産会社。中国恒大集団(エバーグランデ)は多額の負債を抱え再建に奔走。碧桂園(カントリーガーデン)は債務不履行の懸念が強まっています。
そんな状況の見てか、ようやく重い腰を上げた中国政府。
というのも、不動産関連のGDPに占める比率は25%ととてつもなく高く、経済に与える影響も甚大。
関連する建材や家具、家電なども関連しており、雇用も大きな影響を与えます。
中国政府の打った手とは
住宅購入時の頭金比率を引き下げるというもの。
そもそもの頭金比率は市場や地域によってバラツキはあるものの、40-50%。対して日本の場合は、0-10%が相場で、比較的住宅が購入しやすいとも言えます。
では、なぜ、中国はこのように頭金比率が高いのか。
理由としては、不動産バブルの抑制であったり、投棄的な購入を抑制したりなどがあります。
ので、今回の頭金比率の抑制は、中国政府にとってもかなり勇気ある決断だったのでしょう。
そもそもの不動産不況の招いた要因とは
不動産不況の要因として上げられるのが3つのレッドラインです。
平たく言えば、ある3つの条件に抵触する場合は、融資を絞りますよというもの。
それまでは多額の借金をして土地購入やマンションなどを建設し、売却益で借金を返すというビジネススタイルでした。
が、融資が絞り込まれたので、借り入れが難しくなり、借金返済を見込んだ土地購入やマンション建設ができない。結果、増えるのは過去に借りた借金のみとなり、苦しんでいるというのが実情です。
頭金比率緩和の効果は限定的
お金も借りられず、借金返済に見込んでいたマンションもほとんど売れない。
ならば、融資の緩和はできないけれど、マンション購入の部分は緩和して、少しでも実入りをよくしましょうとなったのでしょう。
中国政府としては、過熱気味の不動産市況を落ち着かせるのが第一目的であり、多少の痛みもいたしかない。
そんな考えであったけども、ちょっとだけで助けてあげましょうとなったように見えます。
そもそも民間でこさえた借金は民間で何とかしなさいというのが基本的スタンス。国の財政赤字も膨らみ、それどころじゃないというのが本音だと思います。
どうなる中国経済
不動産業界は不況であるもの、小売売上高や工業生産は上向いており、徐々に回復に向かっている中国経済。
唯一不振とも言える不動産業界が立て直されれば、中国経済の真の復活はなると思います。
それまでにかなり時間はかかると思いますが、不動産業界も正常に戻れば、格差を是正する共同富裕が実現することでしょう。
今後の動向を注視していきたいと思います。