わずか2000万人の人口だからこそ
昨今の半導体ブームの中で、存在感を示している台湾。人口わずか2000万人ちょっとなのに半導体業界は世界的にトップクラス。
そもそも小さな小さな島国ということもあり、資源も乏しく外貨を稼ぐ手段も限られる。国を富ますためには、他の国が手掛けていない産業を育てていくしかないと思ったのでしょう。
てなわけで、国を挙げて半導体産業の育成に早くから取り組み、今では外貨獲得の優等生産業まで成長させることができました。
絶対王者、TSMC
早くからファブレス企業が台頭することを予見し、半導体の製造専門会社として成功を収めたTSMC。
そのシェアたるや全世界の半分を占めるというのですから、台湾にのっぴきならない事がおきようものなら、世界の産業は大打撃を受けること間違いないでしょう。
設立は1987年。ちょうど日本が半導体で世界でブイブイ言わせていた頃です。国もTSMCの立ち上げにかなり支援しており、ある意味国策という思い重責を背負いながら船出だったことが予想できます。
とにもかくにも今のTSMCの成功は、政府としてもホクホク顔でしょう。
設計部門でも育成が進む台湾
TSMCの世界的成功で、半導体製造ばかりに目が行きがちですが、設計部門でも次世代の種が萌芽しつつあります。
設計部門では、nVIDIAやクアルコムなどが強いですが、台湾企業のメディアテック、ノバテック、リアルテックも徐々にシェアを伸ばしつつあります。
3社のシェアを合計するとシェア2位のクアルコムに匹敵するレベルにあり、今後さらにシェアを伸ばすのではないでしょうか。
製造の後工程でも存在感。台湾。
製造と言っても、前工程と後工程に大きく分かれており、前工程を得意とするのがTSMC。
シリコンウエアー上に回路を加工する工程です。
一方、後工程は、ウェハーの切り分け、封止、検査がなどを差し、この世界ではTSMCではなく、ASEという別の会社がシェア首位で、こちらも台湾の企業。
ASEの他にも、SPIL、パワーテクノロジーといった台湾企業もランクインしており、3社合計で50%近いシェアとなり、後工程でも台湾企業の存在感が高まっています。
まとめ
こうしてみると、設計、製造の前工程、製造の後工程すべてで台湾企業の存在感が高まっていることがわかります。
国策として半導体育成に取り組んできた成果が今、花開いたと言ってもいいでしょう。
さらなる成長を促すため、産学官の取り組みも活発に行われている台湾。
日本もようやく国を挙げての半導体産業の成長に取り組み始めました。
今度こそは、失敗なくきっちりと成長に導いて欲しいと思った次第です。