介護現場だけではない深刻な人手不足、建設業界
就業労働者が激減
介護現場の人手不足がよく耳にする話ですが、建設現場も悲惨な状況の様子で、特に若手の担い手が少ないとのこと。2010年447万人の就労者のうち、29歳以下は1割。一方、55歳以上は3割という高齢化社会の縮図とも言える状況。
建設投資額を抑制が今になって・・・
公共事業を減らし、社会保障や子育て支援に予算を振り向ける国の方針もあり、日本の建設投資額は1992年の約84兆円をピークに、2010年には42兆円に半減。長引く不況の中、採用を抑制してなんとか生き延びてきたはいいけど、そのツケが今になって、重くのしかかっている状況みたいです。
人気職種ではないのも原因の一つ。
昔は、スポーツカーで現場に乗り込んでくる作業員もいたようで、それなりに羽振りはよかったようですが、今では平均年収400万円弱。全産業の平均524万円に遠く及ばず、ただでさえ3K現場だけに、若者はもっと楽な仕事を!ということで他の業界に流れいるみたいです。
技能伝承が進まない
昔は、親方の背中を見て、技術を盗んで、技を磨くというのが一般的だったのですが、このような技能伝承モデルが進んでいないようです。すぐにやめちゃうんでしょうね。毎日怒鳴られていたら、そりゃ気持ちが滅入るのはわかる気もしますが・・・。
神の手とあがめられる団塊世代
このような危機的状況をみて、訓練の場を作る動きがでているようで、大林組は訓練学校を創設し、徹底して技能を教えているようです。そして講師は、業界では神の手と崇められる団塊世代。
確かに、仕事は速いし、作業も丁寧。安心が断然違います。あとは、うまくそのノウハウを教えられるかでしょう。名選手、名監督にあらずという言葉があるように、技能伝承がスムーズに行くことを願うばかりです。
日経ビジネスNO.1744より