本家和牛を超える人気 WAGYU

WAGYU農業

本家が分家にとって変わる日

ビールの世界で言えば、本家をビールとすると発砲酒、第三のビールが分家といったところでしょうか。

麦芽を抑えたり、擬似的に麦芽をつくっている発砲酒や第三のビールは、本家ビールと比較すると味はイマイチでしたが、ここ数年の技術の進歩により、本家ともそんなに遜色のない味になったと思います。個人的に・・・。

加えて、ビールに比べ圧倒的に価格が安いというのも大きな魅力です。

で、今回の牛肉にまつわる話になるわけですが、そんな本家と分家の逆転現象が起きつつあるということで、まとめてみました。

和牛は霜降り

和牛と言えば、霜降り。霜が肉全体に行き渡り熱を加えるとうまみや香りをが溶け出し、とろけるような食感がウリ。質のいいお肉は生でも行けちゃう位柔らかい。めったに口にすることはないのに、食べた時の記憶がしっかり残っているほど、普通のお肉と次元の違いは明らか

WAGYUは赤み

WAGYUは混血種とでも言いましょうか、1990年代に研究用として米国にわたり、現地の品種と交配を重ねて生まれました。
和牛の3~5割程度の価格で、霜が全体に行き渡った和牛に対し、WAGYUは赤みが多く食感も味も異なるようです。

海外ではWAGYU人気

海外ではWAGYU人気が猛威を振るっており、スーパーなどでは「WAGYU」が圧倒。本家をもしのぐ人気を博している様子。
地産地消とでも言いましょうか、アメリカ生まれの牛肉が支持されているようです。

マスデータにも変化か

和牛の輸出額は4年連続で前年を上回り、2014年は前年比42%増。直近の数字だけを見れば順風満帆そのもの。

けれど2020年の目標額250億円には遠く及ばず状態で、少なからずWAGYUが影響しているのではないかと言われています。

健康ブームが逆風

なぜ、味も食感も本家に劣るWAGYUが支持されるのか。少なからず世界的な健康ブームが影響しているみたいです。

健康ブームの被害者と言えば、マクドナルドやコカコーラー。両者とも健康嗜好の商品を繰り出すなどして、この難局打開に取り組んでいますが、この被害は和牛の世界にも見られるようです。

しかも、この健康嗜好は、和牛のターゲットとなる富裕層ほど強く、霜降りよりも赤身の方が健康と捉えられているようです。

TPPにも影響か

この牛肉のお話。輸出が伸び悩めばTPPにも影響してくるのかもしれません。輸入関税を引き下げをめぐり日米両国でせめぎあいが勧められていますが、この話がまとまり、WAGYUが安い価格で日本市場に出回るようになれば、本家和牛も危機的状況になるかも。

イメージ改善に取り組む

和牛がイマイチ富裕層の支持を得られないのは「和牛=不健康」という誤解。このいかがわしいイメージの解消に向けて、日本独自の血統管理や格付け制度の訴求を図っていくようです。

脂質だって、重要な栄養素であることを理解してくれれば事態は少なからずではありますが好転するのではないでしょうか。

時代に応じて味も変化か

WAGYUは日本とアメリカの言わばハーフであり、牛肉の世界で言えば新種。ニュータイプなわけです。

人類が進化したように、牛肉の世界でも進化が進んでいるということであれば、牛肉も過去の人となっちゃうのか。

そりゃないとは思いますが・・・。

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