電力自由化にはなったけれど
2016年4月電力自由化となり、消費者が電力会社を選べるようになりました。
それまでは地域ごとの大手電力会社がその利権を独占していたので、価格競争が起きにくく、電気料金も適正なのかわからずじまいでした。
ただ、電力自由化になっても、乗り換えた消費者は数%どまり。というのも、イマイチ価格が見えにくい。乗り換えて本当にお得かが微妙。
まぁ、発電システムと送電網を大手電力会社の管理下にある今の状態では、劇的に料金が安くなるというのはまだまだ先のお話のような気がします。
電力自由化で先を行くドイツ
一方、海外ではちょいと様子が違います。1998年に電力自由化となったドイツでは、乗り換えが進んでいて、再生エネルギー関連では3割という高さ。
日本の数%と比べると、かなり浸透していることが伺えます。
買取価格を3倍の大判振る舞い
ドイツでここまで電力会社の乗り換えが進んだ理由の一つにFIT(固定価格買い取り制度)が挙げられます。
一般家庭の電気代が2倍になる弊害があったものの、乗り換えの後押しには効果絶大でした。
シュタットベルケ?って何?
もうひとつの理由は、シュタットベルケという公的な地域電力会社の存在が挙げられます。
日本では、ある程度の居住範囲を大手電力会社の送電網が張り巡らされていますが、ドイツの場合はそこまで送電網は行き渡っていません。
そこで、人口の少ない地域はシュタとベルケ、公的地域電力会社がカバーしているのです。
村民も潤う電力売り
ドイツのある村では、村民が使う約7倍以上を電力を発電し、それをシュタットベルケに売ることで収入を得ています。
村に設置されている風力発電、太陽光パネル、水力発電などは村民らでつくるファンドと銀行の融資で建設され、売電によって得た収入をさらに建設費に当て、発電量をさらに増やす計画がなされています。
発電量が増えれば増えるほど、投資した村民の懐を暖めるわけです。
おらが村の名産は電気
このように各地域で独自の電力網を構築して、かつ商売として成立。
地域創生という点で見ても非常に興味深い話です。
「ウチはこれと言った名産品がないので・・・」と頭を悩ます自治体も、電気をウリに財政の健全化を図ることも可能かなと。
近い将来、ブランド電力なるものも出てくるかもです。
日本海の吹き込む強風から生まれた○○村生まれの電力、○kW当たり100円とか
それを実現するためには、2020年の総発電分離を待たないとダメもしれませんね。・・・