民主的な経営を全否定
合意形成をしながら、会社を運営していく。そんな考えを真っ向から全否定したエステー化学の社長。社長いわく、市場というのは戦場で、スピードが命。合意掲載に時間を無駄に浪費している間に、ライバルに先を越されちゃうとのこと。まったく同感。
生い立ちも影響
民主主義に疑問を抱いたのは終戦がきっかけ。それまで、「鬼畜米英」と叫んでいた大人たちが、民主主義を崇めるようになり、子供ながら違和感を覚えたとのこと。マッカーサーは独裁者じゃんって。するどい視点です。
独裁者に向けた周到な準備
社長就任前のエステー化学はバブル後遺症から抜け出せず業績はかなり厳しい状況。そこで社長は改革を断行しようとしましたが、役員からは袋だだき。多勢に無勢で孤立無援。で、取った策が、役員の数を徐々に減らし、思い通りの経営ができるように仕向けていったそうです。一斉にではなく、徐々にという所が肝だそうです。
ヒット商品を連発
それからといもの、商品開発では「俺の好きなようにやる」と宣言し、独裁者っぷりを発揮。そもそも合意形成の中で生まれた商品というのは、個性がなくどこか無難な感じ。それが社長としては許せなかった。
その後は、消臭ぽっど、消臭力、脱臭炭とヒット商品を連発させ、業績は回復。結果を残さなかったら、大変なことになっていたでしょう。
まとめ
独裁者と言い切っちゃうのはなかなか勇気がいるもの。ただ、その理由を聞くと、うなずけるのも確か。会議、会議の連続で終わってみたら、会議しなくても良かったんじゃんということも結構あるし、時間を空費しているとしか思えない。
業績が落ち込んでいる時こそ、トップダウンは大事。全責任を背負い込む厳しさはあるけど、それが経営者だと思うわけです。
日経ビジネスNO.1745より