「読む」のではなく「飲む」ってどうゆうこと?
やなか珈琲店から発売されている飲める文庫とは、作品ごとの感想を元にブレンドしたコーヒーのこと。
その作品を読んだ約1万人の感想文を元に、例えば、「文字がすんなりと入ってくる」ということであれば、その作品は「クリアな味」と評価されます。。
「感想」と「味」の結びつけに成功できたのは、データサイエンティストの力が大いに発揮されています。
データサイエンティストって何?
NECが独自に集めた1万件の読書感想文をデータサイエンティストが分析。読者の感想を甘み、苦味、クリア感、余韻、飲みごたえの5つの味に分離し、五角形のグラフ、レーダーチャートに落とし込みます。
例えば夏目漱石の三四郎は、5つの味に分類するとクリア感が突出したチャート図になります。
名作と知られる「三四郎」が、クリアな味という表現は新鮮ですね。
ビールもクリア味なら、三四郎味と言ってみても面白いかなと。
本好きからの評価は上々
こちらの飲める文庫はやなか珈琲のお店で飲める他、通販でも販売しています。
例えば再び人間失格を読みながら、人間失格味のコーヒーを飲むと、また違った読書体験が楽しめるのではないでしょうか。
お客様からも「作品を読んだ時の情景がフラッシュバックした」などの好意的な声も寄せられているとか。
初期生産は全て完売し、追加生産するほどですから、大ヒットと言っても過言でないしょうね。
膨大な作業を簡単にしたAI技術
膨大なデータ量を、5つの指標別に分類できたのもAI技術が大きく貢献しています。
分析の初めこそデータサイエンティストが関わるものの、その後の分類はAI任せ。細かい言葉のニュアンスも理解しながら、データを5つの指標に分類していったことが容易に想像できます。
「飲める〇〇」でシリーズ化
飲める文庫のヒットを受けて、文庫に限らず他のもので味化しちゃうことも考えられます。
例えば、飲めるプロ野球選手。豪快、緻密、感動、渋さ、清々しいという5つの指標に分類。
データ元は、野球の過去データ。ピッチャー編と野手編があって、ピッチャー編であれば勝率や奪三振数、内野ゴロ数、登板回数、観客動員数などのデータを元に分析。
桑田選手であれば緻密な投球術から、深みのある味とか、野茂選手であれば、奪三振数の多さから豪快。パンチの効いた苦味となるでしょう。
このように熱烈な○○ファンと飲食を結びつけるという点で、この試みは今後さらに広がりを見せていくのではないでしょうか。
今後の商品展開が楽しみです。