株主暴れまくりの今年
企業買収や経営層の刷新などなど、株主が関与する出来事がやたらと目についた2019年。
デサントと伊藤忠による揉め事にはじまり、LIXILのお家騒動。最近ではアスクルとヤフーによる争いごとなどなど。
これまでは弱者に、つまり攻められる側の肩を持つ風潮が多かったですが、2019年から強者、つまり株主側の支持する動きが目立ちます。
どれも業績悪化を理由にしたものですが、それほど株主も経営に対してシビアになってきたことの現れだと思います。
これまでの安定株主はどこに
例えば2006年に王子製紙が北越製紙に対して、敵対的TOBを仕掛けましたが、こちらは三菱商事が第三者割当を引き受ける形で失敗に終わりました。
これこそ弱者救済、買収先企業への敵意からなるもので、問題の経営についての関心が薄いことに今となっては驚かされます。
北越の株主は、延命することでいつかは株の価値が上がるとは思ったのでしょう・・・
それとも安定株主とという持ちつ持たれつの関係上、北越に対して遠慮したのか定かではありませんが・・・
欧米では当たり前の株主価値
2005年にライブドアが日本放送に対し、敵対的TOBを仕掛け、これをきっかけに日本でも企業による防衛が加速していきました。
が、そのずっーと昔から欧米では普通に行われていまいした。
とにかく自社の成長に欠かせないとあれば、ギャンギャン買収をしかけていきます。
経営陣が物件探しに奔走するのは当たり前ですが、株主からここの会社はいいよという提案もあるとか。
もっとひどい話になると株主が成長著しい企業に自分が株主の会社の買収話を持ち込むこともあるようです。
日本もいよいよ世界基準
2019年のデサントやヤフー、LIXILの動きは、いよいよ日本も世界基準のコーポレートガバナンス化に近づきつつあることの現れだと。
となると、これまでホワイトナイトの見方も変わるかも。これまで良い人と思われていたけど、何を邪魔しとんねんってと。
場合によっては、ホワイトナイトに買収される。将来的にはホワイトがブラックに変心することだって十分に考えられます。
村上さんも今の時代だったら・・・
とにもかくにも、経営層の刷新やら敵対的TOBも、根っこは株価向上にあるわけです。
上場したのなら、日々成長を目指しなさいと。内部留保ではなく次なる成長に向けてお金を使いなさいと。
それが村上さんが昔から言っていたことなんです。
今では、ご最もといった感じがしますが、時代が早すぎたのか、乗っ取り屋なぞ言われて真意を全く理解されなかったことは残念でなりません。