ブリヂストンの場合
ブリヂストンでは、かなり前から工場のAI化が進められ、今ではかなりの精度とか。
AIが活躍するシーンは、タイヤの継ぎ目を調整するというもの。継ぎ目がうまくいかないと回転運動がぎこちなくなり、走りにも影響します。
今までは匠の技に任せていましたが、定年を迎えるなどあり、技術の継承をAIに託しました。
AI君の教育に使ったのが約2000項目に及ぶ継ぎ目のパターン。こうゆう継ぎ目にすると不具合が出るとか、こうすれば継ぎ目がきれいに収まり真円になるなど。
その相関関係をAI君に分析させて、過去のデータを解析しながら、新たな事象にも対応できるようにしてきました。
AIは、自ら学び進化するというメリットはありますが、これが間違った方向に進むというデメリットもあります。
ので、そこは匠の技を持つ先生方がチェックして、いやいやこの解析は違うなとか、このパターンはAじゃなくてBでしょうと。教育しているわけです。
AIも調教が必要なんだなとこれは新たな発見でした。
新日鉄住金の場合
新日鉄住金のAI事例は他の業界にも転用できるもので非常に参考になります。
鋼材をいかに歩留まりよく使用するかという点にAIを活用しています。
アウトプットは、数百トンにも及ぶ鉄板であったり、数トンの鉄板であったり、用途に応じて鉄板の質も変えていかないといけません。これを付け合わせて効率よく鋼材を使い倒すには熟練の技が必要になってきます。
A鉄板とB鉄板を歩留まりよくアウトプットするには、鋼材をこの位の量にすればOKとか。鋼材の量が何百トンであれば、A鉄板を○トン、B鉄板を○トン、C鉄板を○トンといった具合に決めていくわけです。
これをAI君に学ばせ、最適解を導くようにさせているわけです。
が、こちらもブリヂストン同様、日々、人間による教育がなされており、日々精度アップに向けた取り組みがなれています。
小売りの世界でもAI
AIと言ってもけっして製造の世界に限ったものではありません。
小売りの世界でもAI化が進んでいます。コンビニ大手のローソンでは発注業務にAIを活用。天候、購買データ、過去のデータを元にして最適な発注数をAIが導いてくれるというもの。
今までは経験と勘を頼りに限られた人間でしかできなかった業務が経験の浅いスタッフでも対応できるようになったのです。
加えて業務にかかる時間も大幅に短縮され、人手不足の解消にも一役かっています。
現在の運用は、あくまでも人間をサポートするツールという位置づけでAIを活用。
全てをAIに任せると人間がダメになるということなので・・・。これには納得です。
まとめ
ゴールドマン・サックスの事例では、AIが人間の仕事を完全に奪っていましたが、より精度を高めていくには人間の教育が必要ということを学びました。
そう考えると、教育者によってできの良いAIとでき悪いAIというのが将来的に生まれるんでしょう。
AI調教者なる職業が将来的には出現するかもしれませんね。