ゲノム編集とは
遺伝子組み換えと比較するとわかりやすいのですが、とにかく安い、早い、うまいという三拍子揃った夢のような技術であること。
例えば遺伝子組み換えが1-2年の時間がかかっていたのを、ゲノム編集ならば1~2ヶ月に短縮できてしまう。
費用もそれまでが300-500万円だったところ、ゲノム編集であれば数十万円で済む。
これを実現したのがピンポイントで遺伝子の改変ができるという点
それまでは遺伝子組み換えをして、その症状が出るまで待つという工程を踏んでいましたが、その作業が一切なくなりました。
このゲノム編集、臨床でも既に応用が始まっています。
HIVの進行抑制に一役
まずエイズ患者から細胞を取り出す。んで、その細胞からHIV細胞を増殖させる遺伝子を切り取ってまた元に体内に戻す。
するとHIV細胞の増殖を抑えることができるという訳です。
今までは、この増殖は薬によって抑制していましたが、下痢やめまいなどの副作用があり、患者もしんどい思いをしていましたが、これによりつらい思いをすることなく複数の患者で改善したり、服薬を中止したりという結果が出ています。
医療に加え、農業分野でも
ゲノム構造が複雑で、遺伝子組み換えがが難しかったコムギも、ゲノム編集を駆使すれば、ゲノム改変が可能です。
コムギならではのうどんこ病。これにかかると収穫量が3割近く減り、生産者にとっては大打撃。これをゲノム編集で、うどんこ病に関連する複数の遺伝子を欠損させることで、うどんこ病にかかりにくいコムギを育成することができます。
水産分野にも応用
例えばマダイの筋肉増殖や成長を抑える遺伝子を取り除くことで、筋肉隆々のマッチョなマダイが生成できる。
食べられる身も増えるので、お魚好きにはたまりません。
養殖業者にとっても大変ありがち技術などだと思います。
畜産の世界も同様
このゲノム編集を、畜産の世界にも応用できます。既に筋肉量の多い牛や羊も生み出されているとか。
これが本当に実用化されると、神戸牛ゲノム、松阪牛ゲノムなどブランドゲノムが出来上がることも容易に想像がつきます。
あとは食の安全性
遺伝子組み換えの世界では、実用化も進み、食卓にも並ぶようになってきましたが、ただ普及しているとは言いがたい状況。
やはり、安全性という面で、どうも二の足を踏んでしまいます。
そう考えるとゲノム編集も納得の行く安全性をアピールしていかないと普及は難しいかなと。ただまだ実用化は先のお話ではありますけど・・・
とにかく遺伝子組み換えよりも進んだ遺伝子関連の発明が世に出たというのは凄いことです。