これからの外食産業が生きる道。間借りという選択

新商品・サービス

損する確率が高いのに開業意欲が高い

損する人が大半なのにどうしても大儲けの夢を捨てられず手を出してしまう株売買。

外食産業にもそれに似たような所があり、廃業数が多いくせに開業熱は全く冷めない。

2016年のある調査では廃業数が11万に対し、開業は約8万。廃業件数の方が多いものの、その数字に迫る勢いの開業数。

このやる気を無駄にしてはならない。外食産業を盛り上げていかなければという社会的大義と言うと大げさですが、あの吉野家が一肌脱いでくれました。

外食産業の救世主。吉野家

営業時間外にお店を貸したい、出店したいけど開業資金が足りない。この両者をつなぐことで、開業を後押しする仲介サービスシェアレストランを2018年から開始しました。

店舗を貸す側も稼働していない時間を有効に活用でき、家賃の補填をしてくれる。貸す側、借りる側双方にとってメリットあるサービスだと言えます。

コロナ禍で廃業に追い込まれた企業は多く、中でも外食産業は最も多いとも言われています。

このサービスをもっと早く知っていれば、もうしばらくは持ちこたえられたのではと残念でなりません。

新規出店で数千万円という高いハードル

本サービスを利用し、成功したのが今テレビなどで話題の究極のブロッコリーと鶏胸肉。2019年8月に開業し、わずか1年足らずで全国に28店舗オープンし、今最も勢いのあるお店です。

1号店となる東京渋谷店は、シェアレストランサービスを使い開業にこぎつけることができました。

従来であれば内装工事などで数千万円、居抜きだと数百万かかりハードルが高いですが、シェアレストランであれば、家賃のみ支払えばOK。

しかもその家賃は通常の1/3から1/2というのですから、スタート時の負担もグンと減らすことができます。

ちなみに光熱費や調理器具などは自己負担。例えば食材なんかも貸す側と共同仕入れすれば食材費も抑えられると思います。

フランチャイズも選択肢の1つ

間借りという画期的な仕組みを外食産業にもたらした吉野家。このサービスで新規が参入しやすい環境を構築しました。

次なるステップ、店舗数拡大においては、昔からあるフランチャイズという方式が有用のようです。

究極のブロッコリーと鶏胸肉も当初は直営による他店舗経営を目指したが、資金的に余裕がない。

ということで、数ヶ月かけて運営マニュアルやら食材卸の仕組みなどを構築し、フランチャイズ方式で店舗拡大を図りました。

新業態を生む土壌。シェアレストラン

シェアレストランの利用店舗には、これまでにはない新業態の店舗が多く、究極のブロッコリーと鶏胸肉もそうですが、プロテインを配合したフルーツスムージやエンジニア限定のバーなど個性的な店舗が目立ちます。

開業資金はないけど、テスト的に需要があるか試してみたい。そんなニーズをうまく汲み取ることに成功したシェアレストラン。

今後、シェアレストラン出身ですといったお店が増えていけば外食産業の未来も明るくなるだろうと思った次第です。

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