クラウドファンディングとはちょいと違うスキーム
会社の資金調達の手段としては銀行さんが真っ先に思い浮かびますが、上場企業ともなれば株式発行による資金調達やら社債など調達先がさらに広がります。
上場していないと銀行さんだけかと思いきや、最近ではクラウドファンディングなるものが流行り、出資者と直接やりとりして目標の金額を調達できれば晴れて資金が提供してもらえる。
このようにネット普及で企業の資金調達の幅は広がりましたが、他にもソーシャルファンディングなる資金調達の手法が2018年頃から広がりを見せ、順調に試乗記後を拡大させております。
こちらのソーシャルファンディングとは、資金の借り手と資金の貸し手をマッチングさせるという非常にわかりやすいサービス。
マッチングともなれば、これまでに企業と企業を、人と人をといった感じで見慣れた仕組み。ということもあってから利用者にとっては敷居は低い感じがします。
最大手はSBI系のSBIソーシャルレンディング
当然マッチングサービスともなれば、双方をつなぐ仲介者というものが存在します。再大手はネット証券でTOPのSBI証券グループのSBIソーシャルレンディング
仲介者の役割としては、資金が融資を希望する事業にしっかりと使われているかなどのチェックが中心。当然、厳しい事前チェックもこの仲介者のお仕事になるわけです。
ある意味、仲介者の信用力も、この商売には重要かなと。SBIグループともなれば、名前が売れているだけにしっかりとした審査は行われていると思いがち。
が、これがズサなんなチェックだったようで、マッチングした企業が詐欺まがいの資金流用をしていたようで、SBIソーシャルレンディングの責任が問われています。
会社はほぼほぼ自転車操業状態?
ソーシャルレンディングを使い資金調達をしたのが再生可能エネルギーを生業とするテクノシステムという会社。
2009年に創業したこの会社、2012年の自然エネ買取制度の仕組みにのっかり、全国に再生エネ発電所を建設。当時は様々な企業がこの事業に参入し、あちらこちらに太陽光発電が設置されました。
九州地方ではあまりの多さに一時期申請をストップさせたほどの賑わいを見せていました。
ところが買取価格が下げるにつけ、事業継続が厳しくなり撤退する企業やら倒産する企業が相次ぎました。
テクノシステムもご多分にもれず経営状態は厳しく、ほぼほぼ自転車操業状態が続き、わらをもつかむ思いでソーシャルレンディングにすがったのでしょう。
資金使途はバイオマス発電所の建設
資金の貸し手は地銀が中心だったようで、バイオマス発電所を建設したいので融資してくださいといった内容。実際は調達した資金は借金返済に使われ、バイオマス発電の建設などは全くされていなかったとか。
この行為が詐欺にあたるということで、東京地検特捜部に社長を中心に逮捕されてしまったのです。
嘘をついてしまったのも悪いですが、仲介先のSBIソーシャルレンディングのチェック機能が働いていなかったことも問題視されています。
どうなる新サービス、ソーシャルレンディング
今回の1件で、右肩上がりに成長を見せるソーシャルレンディングサービスに対し、不信感を抱く貸し手も増えることが懸念されます。
せっかくの手軽な資金調達手法なのですから、定着化して欲しいものです。
当初の計画どおりに事が運ばなければ融資は無駄になるわけですが、リターンが元本に対して5-10%と高く魅力的な金融商品にも見えます。
融資案件の事業がどのように推移しているのか、透明性を持って運用されれば、信用回復にもつながるかなと。
今後のさらなる発展を切に願うばかりです。