村のくせに、やることは最先端。別名タオバオ村
中国で盛んに行われているライブ配信型のEコマース。いわゆるテレビショッピング的なつくりで、商品を紹介するのは素人さん。
アリババのタオバオ、京東集団のJD.comの最大手が力を入れている所を見ると今後さらに成長が期待できる市場です。
このライブ配信に村全体で力を入れているのが青岩劉村。別名「タオバオ村」。
ネット販売に力を入れる自治体は中国各地に点在するも、頭の一歩抜きん出ているのがタオバオ村。
ネット販売に力を入れ始めたのはさかのぼること約10年前の2007年。地元政府もの積極的な支援の元、急速に成長していきました。
ライブ配信用のスタジオをつくり、しかも24時間無料。ライブ配信のスキルを学べる講座を開くなど、とにかく地元政府の手厚い支援には目を瞠るものがあります。
本気で地域経済の振興を考えると、日本の自治体もこの位前のめりして欲しいものです
ライブ配信者求むの張り紙?
手厚い地元政府の支援の元、成長著しいタオバオ村。同村のお店にはインフルエンサー求むの張り紙が掲出されているとか。
店舗の売り子さんの求人がこれまで一般的な求人でしたが、ライブ配信が商売の中心となると、べしゃりが上手で成約率の高い売り子さん需要が高まるようです。
日本でもプロの売り子さんというのがいますが、その活躍のフィールドはリアル店舗と限られていますが、将来的にはライブ配信の売り子としての仕事も増えてくることでしょう。
供給源は巨大卸売市場。
タオバオ村が他の都市に比べネット販売で成功した理由の一つとして、潤沢な商品供給市場の存在があります。
世界最大とも言われる日用品・雑貨の卸売市場、義烏(イーウー)国際商貿易城。
内部は卸売業者のお店が店を構え、小売業者の多くの人が足を運ぶとか。
この巨大商品供給地にほど近いタオバオ村。商品を仕入れてはライブ配信にのせて中国全土に配信する。
商品が潤沢だけに出品者もネタに困らない。良き関係が築かれています。
一帯一路のスタート地点。義烏(イーウー)
ちなみにこちらの義烏(イーウー)は、あの一帯一路のスタート地点として地理的にも商売にうってつけの場所。
ここから海外へと商品が輸出されていくのです。なので、義烏から景気動向を見れば、中国の景気も見えてくるかもしれません。
中国の縮図。村経済はV字回復中。
ちなみに義烏(イーウー)市の1-6月のGDPは約1.0%増。その前が7%減ということを考えると、順調に景気が回復しているように見えます。
住宅販売額も前年同期比で25%増を考えるに人口流入もさぞ活発なのでしょう。
この先の中国の景気動向を見るに義烏(イーウー)の動向は目が離せません。