一般的に評価される人材とは
企業の採用基準と言えば、コミュニケーション能力が高く、協調性があって、規律を重んじる。
このルールに沿って、上司、先輩は評価をし、教育の名の元、その色に染めるよう日々指導しているわけです。
時にその行為が行き過ぎて、パワハラやらセクハラなんて問題を引き起こしてしまうのですが・・・
ただ時代の変化が激しい中で、金太郎飴のごとく全ての人材が一緒なのが果たしていいのか?というのが今回のテーマ。
ある企業によっては、会社の定める評価基準にはみ出してしまう特殊な人材も受け入れるという流れが出始めています。
自分は他の会社人間とは異質なんだともう落ち込むことはないんです。自分も含めて。
足で稼ぐ営業とはおさらば
こちらの事例はカーディーラーのセールスのお話。
セールスと言えば、一昔前までは足で稼ぐ営業という側面が強かったです。
機能客の所に訪問しては、点検整備をご案内したり、車検が近づけば入庫の依頼。家族構成も把握して、お子様が免許取得の年にでもなれば新車購入を促したりと。
このような行為を膨大な数の顧客に対してするわけですから、1日中デスクにいようものなら、店長から怒鳴られてしまうのは当たり前。
が、今回のテーマの異質社員は、何と1日中会社にいて、しかも台数はしっかりと稼ぐ。それも会社ではトップクラスという強者なのです。
では何故、彼は訪問販売をせずにトップクラスの台数を稼げたかと言うと、お手紙作戦で顧客のハートを鷲掴みしていたのです。
腱鞘炎になるくらいというのですから相当な数でしょう。その文面がお客様それぞれで異なり、この人、ウチのことわかってくれているな的な内容だったとか。
この手紙に心を動かされ成約に結びつける。
そもそもコミュニケーションは苦手だった彼ですが、苦手ならば得意な手紙で攻略しようと考えたのでしょう。
それと会社が、このスタイルを認めてくれたというのが大きいでしょう。
ちなみに、この彼、成功を収める前の会社もカーディーラーで、3年でクビになったとか。
逃した魚は大きかったと臍を噛んでいることでしょう。
テレアポなのに電話は使わない
対人コミュニケーションほぼ0の女性ビジネスパーソンのお話。
彼女の場合は、子飼いのバイト君達を駆使して、他の営業の数十倍のアポ取り成功を達成させているというもの。
このような回答した場合はAを、後ろ向きな回答をした場合はBをという細かい応酬話法のチャート表をつくり、バイト君たちに配布し、かつ彼らの応対報告を後で聞き、チャート表を改善するという徹底ぶり。
これも会社が度量の大きさが伺えます。
また他の営業からも特別扱いだというクレームが起きそうですが、そもそもコミュニケーション能力0をオープンにすることで、そんな不安も杞憂に終わったとか。
コミュニケーション能力がなくてもOK
これらの事例を見るに、コミュニケーション能力が高い=仕事ができる人=会社で評価されるという図式は過去のものという感じがしました。
全ての人が人付き合い苦手は困りますが、これこそダイバシティなのかと思った次第です。
会社も多様な人材が働きやすい職場を目指すなら、このような規格外の人材をも認める度量の大きさが必要な次第になってきたのでしょう。