軽妙なトークで見物人を惹きつける
通販番組の視聴者を惹きつける力というのは毎度関心させられる。ひとつ目の驚きを起こして、これでもかとばかりに商品の優位性をアピール。締めは今ならお得ですよとばかりに特別価格の提示&おまけがついてくるのお得感のオンパレード。
思わず電話に手が伸びる人も多いはず。
けど、そんな通販番組も霞んでしまうほど客引きのパワーが群を抜いている寅さんの軽妙トーク。
見物客を不快感を与えずにいじり倒し、一気に距離感を縮め、その気にさせちゃう。
寅さんが全国を飛び回りテキ屋ができたのも、ずばぬけたトーク力があったからだと僕は思うのです。
テキ屋の仕組みは一般企業とかわらじ
ここでテキ屋をおさらいしておきます。
大きく分けると法人系とフリーランスの2系統があるということ。寅さんはフリーランス系ですね。
一方の法人系はと言えば、街の祭りやイベントなどに何軒もお店を出して、ちゃんと役割分担がなされています。
大きく分けると食品系と非食品系。若い頃は輪投げ、射撃、金魚すくいなどスキルを必要としないものを経験させれ、経験を積むことで食品系へ。焼きそばに始まり、最終的には調理の難しいタコ焼きへと階段を登っていきます。
てなことを初めて知り、ということは祭りでタコ焼きを担当しているスタッフは出店の中で、最も熟練の人ということなります。そうゆう視点で祭りを楽しむのも面白いですね。
テキ屋には受難の時代
どの業界でも抱えている問題、人手不足ですが、テキ屋もまさにそれ。
朝の9時頃から働き終わるのが夜中の2時とか。となると体力的にもかなりつらい。しかも厳しい縦社会で、実入りも少ないともなれば、進んでテキ屋の世界に進むというのが少ないというのが実情です。
コンビニバイトの方が楽と、テキ屋のベテラン職人が口にするほどですから、若い子たちは当然は、その辺は敏感に察していることでしょう。
追い打ちをかけたあの事件
こんな厳しい業界にさらに追い打ちをかけたのが火災事故と食中毒。2013年の花火大会の時に、ベビーカステラ屋台が爆発。死傷者を出すまでの惨事を招きました。
2014年には、屋台の冷やしキュウリを食べて、500人近くの人がO-157に感染。
これらの事故によりより一層安全コストにかかる経費がかかり、利益を圧迫しています。
しかも自治体側から、事前にスタッフの情報提供を求められる。反社会的組織とつながっていないか等をチェックする訳ですが、コレも人手不足を助長。
フリーランスのスケジュールを2ヶ月前から把握するなど無理。寅さんだって風のふくまま、気ままに商売しているわけですから、これでは寅さんのサラリーマン化を招いてしまいます。
まとめ
昔、怪しい、ある程度の不衛生は許容済みという、縁日に集まる人達もある程度、そのような事を知った上でつきあっていたのですが、時代のながれでしょうか、テキ屋にも一般のお店と同様のクオリティを求められるようになっています。
農業ではありませんが、テキ屋組織も全国で連合組むなどして、大規模化していかないと生き残っていけないのでは?と思った次第です。
となると、寅さんのようあフリーのテキ屋はますます活躍の場が狭まってしまう訳ですが・・・