ホールインワン保険の存在にびっくり
社会人になりたての頃、先輩にゴルフに誘われ散々なデビューとなったあの日。ショートホールで、ホールインワンになったら関係各所に記念品を配る慣習なるものがあることを教えられビックリしたのを、ゴルフそっちのけで鮮明に覚えています。
本来なら、祝福される側であるのに、本人から周りの人間にお礼の品を上げるのですから。
上の人ともなれば、そりゃー平社員に比べ圧倒的に顔が広い。お礼の品を差し上げる方々もとてつもなく多い。
てなわけで、急な出費でもあたふたしないようにと、保険会社ではホールインワン保険なるものを用意しているとか。
商品化されているということは、ある程度の需要があるからの裏返し。大人の世界は奇妙だなと思いました。
で、今回のお話は役員保険なる商品のお話です。
損害賠償額590億円ってマジ?
オリンパスの粉飾決算が数年前に話題となりました。この時に、株主達が訴訟を起こし、その額が何と590億円。訴訟先は旧経営陣の6名。一人あたり、約100億円。とてもじゃないが、個人の支払い能力を有に超えています。
どうやってお金を工面するのか、他人事ですがとっても気になる所。で、先に挙げた役員保険なるものが、ここで登場するわけです。
このような予測不能な損害賠償に備えて、企業ではあらかじめ保険をかけています。
ので、訴えられて賠償請求金を支払うこととなっても、保険で負担してくれるので、役員さんはさほどの痛手を負わないという訳です。大企業ともなると、その辺の備えが十分なことにあらためて驚かされました。
役員保険がここ最近伸びている
この所、企業による不祥事が立て続けに起きていることもあり、役員保険の相談が増えているとか。最大手の東京海上日動火災保険では、2017年4月ー9月で保険料収入が1割増し、損害保険ジャパン日本興和も、過去5年で1.5倍に拡大。
そもそも、この保険、大企業の9割が加入している商品とのこと。
これを勝機と捉えたのか、保険の適用範囲を広げる商品まで登場。不祥事発覚の際に、第三者委員会の設置費用、社内調査費用、社外取締役への補償などなど。
これらの充実した保険を持って、社外取締役を依頼する際の武器にもなります。
ウチは手厚い保険がついているので、万が一でも安心ですよと。まるで保険会社の営業トークのようなことが、ささやれている気がします。
役員も大変だよ。
裁量権を持つという意味では、役員さんは魅力的ではありますが、それと同時に会社の経営、未来を担っている重責を背負っているだということを知りました。
お痛をしたら、訴えられてしまうのですから・・・。
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