専用か、汎用か。EV生産手法で割れる海外と日本方式。どっちが正しいか

ev自動車業界

EV専用工場で先を行くGM,VW

世界の販売台数でトヨタとしのぎを削るGMとVW。EV化に向けて着々と生産能力を引き上げているのを見るに、ようやくEV化に本腰を入れてきた感じさえします。

GMは2020年9月、ミシガン州のデトロイトにある工場をEVの専用工場に改修すると発表しました。

VWは2020年6月、内燃機関車の生産を終了させEV専用工場に改修すると発表しました。

専用工場ともなれば、生産効率は格段に上がることは間違いなく、それが最終価格に反映され、これまではちょい割高のあったEVの価格を手頃な価格まで引き下げる効果も期待できます。

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一方の日本勢は専用じゃなくて汎用で勝負

GM,VWのこの思い切った改革は、今現在それなりにEVが売れているからでしょう。

日本勢は、全世界的にヒットしているクルマは残念ながら、ほぼ皆無。てなわけで、ホンダを除き汎用ラインで、向こう十数年を戦い抜くという所に落ち着きそうです。

例えば日産の場合は、内燃機関車とEV車の混流ラインでEV生産を進めています。

というのも、EV車の国内販売台数は年1万台程度と、一昔前のカローラの月間台数レベル。

そんな販売規模の小さな商品に専用ラインなど作るなんぞ到底無理な話。

身の丈にあった選択と言ってもいいでしょう。

斜め上を行くトヨタ。EVは選択肢の一つ

「2035年までに新車販売でEV化100%実現」と高らかに宣言した菅さん。世界各国で脱炭素化が叫ばれる中での発言でもあり、日本もいよいよEV化に向けて本格的に動き出したという感じさえしました。

が、これに異を唱えたのがトヨタ。脱炭素化に向けてEVは数多ある選択肢のひとつであり、必ずしも最適解にはならないというもの。

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というのも、発電エネルギーはまだままだ石炭火力に頼る状態。自然エネルギーによる発電量も期待されるほど成長していない。

他にも全世界がEV車にシフトした場合、搭載するバッテリーは今の20倍になるとも言われ、原材料の調達だけでもかなり無理があるとも言われています。

さらに雇用が大幅に失われるという大きな社会問題もあり、オールEV は色々な面で解決すべき課題がてんこ盛り状態。

これらのEV化による様々な問題が起きると想定して、トヨタはオールEVに対して警鐘を鳴らしたのでしょう。

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ソフトランディングが一番かな

このトヨタの発言は日本の脱炭素政策に大きな影響をあたたえたことは間違いなく現実的な目線で軌道修正されていくでしょう。

火力発電の縮小やら、次世代カーのインフラ整備、新規雇用の創出などなど。

環境立国として、世界の模範となるような脱炭素政策を期待したい。

自動車生産ラインの汎用ラインというのは一つのひんとになるような気がしました。

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