リーマンでは3ヶ月だったのに1ヶ月とは・・・
マツダの中の人が言うには、リーマン時は5ヶ月かけて販売が35%減だったが、コロナでは1ヶ月でその数字に迫る販売減だったとのこと。
この数字からもコロナが経済に与えた影響はリーマン以上というのがわかります。
とあるコンサルティング会社の2020年の販売台数は対前年で約20%減と予想。
リーマンでは07年と08年の比較で5%減。09年との比較が8%減を考えると、これまたリーマンを遥かにしのぐ予想を立てています。
あえて先行きを提示したトヨタ
では、当事者の自動車メーカーはと言えば、他社が中々数字を見通せない中、あえてトヨタが発表したのが、これまた約20%減。
このようにマツダの中の人の証言、コンサルティング会社の予想、トヨタの業績発表を総合すると、2020年の販売台数は20%減の線が有力になってくるでしょう。
トヨタがあえて発表したのも、顧客、そして取引会社を安心させるためのもの。
業界の盟主としての責務とでも言いましょうか、大ボスが将来の数字を提示することで、少しは不安も払拭され、特に取引会社も減産による対策も早めに打てます。
5層構造のピラミッドを守るため
自動車業界は、その部品点数の多さからもわかるように、一次、二次、 三次 とサプライヤーがおり、5層構造とも言われています。
最底辺ともなれば、資金繰りもかなり厳しい。今回のコロナ禍でも倒産の危機に瀕する会社も出てくることでしょう。
取引会社を守るため、トヨタは民間銀行から1兆円規模の融資を要請し、取引会社の資金面の援助に乗り出しました。
他社が自社の運転資金を得るために融資を要請する中、日本のものづくりを守るという使命の元、他社の将来のために行動を起こすあたり、あらためてトヨタの凄さを感じました。
未来にも影響。どうなるシェアリング
業績が厳しくなると、将来に向けた研究開発にも影響が出てくるもの。
予算を絞るのはその最たる例ですが、100年に1度という変化を迎える中、コロナ禍で、その未来予想図にも変化が起こるかもしれません。
それがシェアリング。複数の人が1台の車を共有するわけですが、感染リスクを考えると非常に怖い。
ので、シェアリングの開発を抑えつつ、自動運転やらコネクテッドに開発資金が投入される可能性もあります。
コロナで、車で移動する人が増えたとも聞きますし、自動車業界にとっては良いこと。
根底には感染の最小限に抑えたいという想いが感じられます。
ウィルスから守るという新たなニーズが顕在化した今、次世代カーに求められるものも変容していくことでしょう。