世界的にはEVカーへの移行と思っていたが
次世代の環境対応車の本命と目されるEVカー。
環境にうるさい欧州の自動車メーカーがこぞってEVカーの開発に力を入れることを発表したことで、世界的にEVカーの開発が活発になったように見えます。
それまでCO2の排出量が少ないということでもてはやされたディーゼル車はVWの不正問題ってすっかりと信用を失い、逆に環境にとってよろしくないクルマという悪いイメージがついてしまった感じさえします。
取り組みの遅さにお仕置き?
そんな世間の声を受けてか、欧州司法裁判所は、規制に乗り出し、EUでは、NOxの排出量の上限を1kmあたり80mgという基準を設け、2023年までには実施しなさいというと。
ところが、自動車メーカーの取り組みがイマイチ。ドイツのハンブルク市やシュツットガルト市では古いディーゼル車の乗り入れを禁止するなど市民レベルでの関心も高まる中で、何をチンタラチンタラやっているんだと。
業を煮やした欧州司法裁判所は、期限の前倒しという荒業を繰り出し、その期限を2020年2月までとしました。
いやいやちょっと待ってくれよのメーカーサイド
この対応に各自動車メーカーが反発する事態に発展。理由はサプライヤーからの部品調達なども考えると、とてもじゃないけど期限までに新基準をクリアするのは厳しいとのこと。
ただでさえ、VWの排出不正問題で新たに定められた試験法に対応するのも一苦労の状態。ある意味、期限の前倒しはそのハードルをさらに高めるようなもの。
業績に重くのしかかる規制対応費
新試験法とは、実走行に近い形で行われる試験法。それまでは試験の時だけ排ガス抑制装置を取り付けていた禁じ手がつかえなくなったわけです。
これによりアウディの場合、新車を十分に供給することができず、対前年比14%削減、他の自動車メーカーも軒並み対前年比を下回る結果となり、ディーゼル不況という様相を呈しています。
難しい選択だよ。これまでの技術にお金を払うのは
EVの開発に力を入れていく中、一方でディーゼルの環境対応も進めていかなければならない。
ディーゼルはある意味、将来的にはなくなっていく可能性もある技術であり、そこにお金と開発リソースを割くというのは経営的にもかなり厳しいと思います。
思い切ってディーゼルの開発をやめて、EVにシフトするようなことができれば、それに越したことはないのですが、今日明日の飯のタネを失うというのは厳しいでしょう。
欧州メーカーの受難はもうしばらく続きそうな感じがします。