自動車業界出身者ゼロ
スウェーデンのEV開発会社、ユニティ・スウェーデンは、社員数70人余りで自動車業界出身者ゼロなのに、2019年にはEVカーの販売を始めます。
今までの自動車開発では考えられませんが、資金力が劣り人的リソースも少なくても、EVであれば、それを可能としてくれちゃうのですから、おだやかではありません。
脇を固める大手企業
ユニティ・スウェーデンのEV開発をサポートする企業がこれまた錚々たる面子。独シーメンス、クーカAI、エヌディビア、スウェーデン通信のテレツーなどなど。
独シーメンスは、ソフトウェアでシミュレーションできる技術を提供。従来、試作車を作って何度も試験を重ねていたものの、画面上でできちゃうというもの。
これで大幅開発期間の短縮ができます。
そして産業用ロボットのクーカAIの力を借りて組立られていというものです。
所代わって中国のEV開発も凄い
NIOのブランドを開発した中国のスタートアップ企業をサポートする企業もこれまた凄いメンバーが並びます。
テンセントの創業者やネット通販の創業者などが出資を行っています。
2019年の発売を目指し、電池専用拠点を設け、丸ごと交換するという仕組みを作るなどEVならではの新しいサービスを導入している点も見逃せない点。
内燃機関の動力では考えつかないような仕組みがEVでは色々とあるのではという期待が膨らみます。
日本だって負けちゃいない
自動車業界とは無縁のヤマダ電機、船井電機が揃ってEVのスタートアップに出資しています。
出資先は、元スズキに務めていた方が立ち上げたFOMMというスタートアップ企業。
まずはタイ向けのEV開発を進め、将来的には日本に逆輸入をもくろんでいるのでしょう。
タイを最初に選んだのは洪水の多い国だから。FOMMの開発するクルマは何と水陸両用。洪水が起きても、車体は浮きスイスイと水の中を走れるというもの。
日本でも災害時などには活躍するのではという感じがします。
垂直から水平へ
このように従来の完成車メーカーを頂点とした垂直統合から、EVの場合は、様々な企業から必要な技術、サービス、モノを支給してもらい組み立てていく水平統合がメイン。
これって、ブラウン管テレビと液晶テレビとの関係に近いものがあり、やや不安を感じてしまいますね。
が、クルマというのは人の命を預かるものですし、垂直統合にあるようなすり合わせという技術なくしては良いものはつくれないのでは?と思います。
水平統合はクルマ開発の敷居をグッと下げることになりますが、改めて完成車メーカーの価値を知ることとなると思います。