世界5位の栄光は今や昔
アベノミクス以前の日本から見たらうらやましいかぎりだった韓国ヒュンダイ。それが今、かなりの不振にあえいでるとのこと。
ウォン安を背景に北米の販売台数は日本勢を脅かす存在まで成長し、韓国に見習いなさいという声も聞かれたほど。
それが今では、世界販売台数5位という称号は維持しているものの、その中身は惨憺たる状況。
2018年12月期の営業利益は対前年比約50%ダウン。しかも6年連続の減益。販売奨励金の積み増しなくして、クルマが売れないという悪循環に陥っています。
商品戦略に問題か?
販売奨励金の積み増しはある意味、商品力のなさを露呈しているようなもの。
ヒュンダイの場合、セダンタイプ偏重のポートフォリオに問題があったのではないかと言われています。
2015年に満を持して投入した高級車ジェネシスは2018年の販売台数が1万台。対前年比50%ダウンという、とてもヒュンダイのこれからを背負っていくにはあまりにも残念な数字。
ならばとばかりにSUVを投入するも、他社に比べると出遅れ感が否めず、SUV市場でも苦戦を強いられているのが現状です。
時間を買う経営戦略に綻びが・・・
ヒュンダイの商品開発は後追い戦略とも言われています。
他社で成功したモデルがあれば、類似商品を開発するというもの。
新車開発ともなれば、数年先の市場を予測して開発される訳ですが、新車が世に出る間に数年以上かかり、やっと発売に至ったものの市場環境が当初とは異なり、失敗しちゃいましたというのはよくある話。
ということで、ヒュンダイは他社を真似ることで開発時間の大きな短縮と失敗リスクの軽減に成功してきました。
AV機器のフナイも同様で、フロンティアは他社に任せてあくまでもウチはフォロアに徹するというスタンスで、しっかりと好業績を残しています。
と考えると後追い戦略は、間違ってはいないのかなと。
となると、SUV市場の成熟スピードがヒュンダイが思っていた以上のスピードで進行していったのでしょう。
新社長の元で復活なるかヒュンダイ
てなわけで、ヒュンダイも、これまでの後追い戦略をあらため、クルマ業界のフロンティアになることを決意。
次世代の本命とも言えるEVカーを2025年までに44種投入するという野心的な目標を掲げました。
EVのヒュンダイを世界的にアピールしくとも取れます。
再び世界をあっと驚かせる成長を起こすことができるのか。そしてまた日本勢のライバルとして恐れられるのか、新社長の手腕に期待したいところです。