0時近くでも混み混みは今は昔
新入社員時代は終電近くの帰宅が当たり前。電車も混み混みで自分と同じように残業で遅くなったビジネスパーソンばかり。
それがコロナ禍の今では0時台はガラガラ。乗車率は昨年に比べ66%減だとか。
これも世のビジネスパーソンの多くが在宅勤務に切り替わったことが影響しているのでしょう。
民営化後、初の赤字
2020年8月の山手線の乗客数は大前年で38%減。2020年4-6月の業績は約3000億円の赤字。通期にすると1兆円の規模。
民営化後、初の赤字と新聞でも大々的に報じられました。
国営最終年度も約1兆円の赤字でしたが、民営化して業績は回復。もう、国営時代の悲惨な状況には戻らないだろうと誰もが思ったはず。
予想を遥かに超える事態を招いたコロナの破壊力をあらためて痛感しました。
とりあえず終電前倒し
国営時代に匹敵する赤字が予想されることで、JR東では終電の繰り上げを発表しました。
対象は東京駅を起点に100km圏内。繰り上げ幅も30分ほどと少なめ。乗車率66%減からすると、もっと繰り上げても良い感じがしますが、まずは様子を見て状況によっては順次繰り上げを進めていくのでしょう。
他の鉄道会社も運行本数を減らしたり、路線を廃止したりするなどして赤字縮小に取り組んできましたが、これまでは地方路線ばかり。
それが山手線という大都市圏の路線まで広がりを見せているというのは、相当深刻な状況なのでしょう。
終電前倒しで保守点検コストを抑制
機械モノにつきものの点検整備。クルマで言えば12ヶ月、車検など定期的に点検整備をすることで機械のコンディション調整をしています。
鉄道も同様ですが、ほぼ毎日稼働させなければならないため、作業は稼働していない深夜に行われています。
それも終電終わりから始発が動くまでの3時間前後でした。このメンテコストが結構な負担になっていたようで、終電繰り上げにより、これまでよりも時間が取れるようになり、大型機械を使った点検ができるように。
これにより保守費用の圧縮が図れるとのこと。
他にも駅員さん、車掌さんの人件費も下げることできる。
減便するよりもコストダウン効果が高いと言われています。
在宅の広まりでさらなる対策も
コロナ収束後も在宅勤務を継続する企業などは交通費の支給を廃止し、在宅手当に切り替えるなど鉄道会社にとって耳の痛い話ばかり。
定期代という大きな収入減が減ることにもつなり、この先も赤字縮小対策が続けられることでしょう。
終電のさらなる繰り上げ、時間帯別の割引制度などなど。新サービスが導入されることを期待します。