バブル時代の名車が今の世に降臨
初代ロードスターのレストアサービスが今注目されているというお話。
初代を初めて目にしたのは学校。担当の先生がロードスターに乗っていて、免許を持っていない素人にも理屈抜きでかっこいいと感じました。
あれから30年近く経ちますが、初代ロードスターの人気は衰えるどころか増す一方。
そんなユーザーのアッつい声に応えたのがマツダのレストア事業。一般的にこの手のサービスは、専門会社がこれまで担ってきました。というのも採算という面でメーカーは手を出しにくいから。
マツダもこのサービスをビジネス化するまでには相当な苦労した様子でしたが、採算の見込みができたということで事業化することとなりました。
技術は進歩しても、当時の品質を出すのは大変
レストア費用は、約250万-500万円。当時の価格以上の値段ですが、商売として成立するのですから、初代ロードスターの人気がいかにすごいかがわかります。
一番の悩みどころは、現存しない当時の部品をゼロから作り込むということ。
例えばロードスターの幌部分は塩化ビニール製ですが、これが製造工程で有害物質ということで生産が中止されているもの。
代替えの材質という選択肢も考えられますが、そこは熱烈なファンの事を思い、塩化ビニール製とし、有害物質を出さない製造ができるメーカーを探しだしたとか。
しかも当時とは製造方法が異なることもあり、性能試験もゼロからするなど、まるで新車開発と同じ位の手間をかけている。
そう考えると、レストア費用が今の新車レベルの価格になってしまうこともうなずけます。
部品メーカーも積極的。粋な対応
このレストアサービスが事業化できたのも部品メーカーの協力も外せない所でしょう。
例えばタイヤのブリヂストンの場合、ブリヂストン側から協力したいと手を挙げたというのですから、いかにロードスターが愛されていたかが伺い知れます。
アルミホイールメーカーのエンケイも同様に、現品から3Dデータを取得して忠実に当時のアルミホイールを再現。
当時の質感を大事にして、表面の粗さを調整したというほどの手のいれようだとか。
自動車メーカーにとっても新たな飯の種に
自動車メーカーにとっても自分たちが世に送り出したクルマがここまで愛されているというのは嬉しい限りでしょう。
ウチもレストアビジネスをやりたいという所が出てきてもおかしくないでしょう。
この動きが広まれば、新たな飯の種にもなるかもです。レストア嗜好層と新車購入層は全く異なることから、共食いもないと思います。
初めて買ったクルマに再び出会える喜びをぜひ
例えば、初めて買ったクルマがレストアで再現されたら飛びつく人も多いのではないでしょうか。
今では自動運転ばりの快適なクルマですが、当時のクルマはハンドルは重い、窓の開閉は手動、エアコンの機器もイマイチなどなど。
けど、この不自由さが名車ならではの価値とも言えます。
カローラⅡが復刻したら購入を検討しちゃうかもです。