圧巻のプレス向けお披露目会
いよいよ真打ち登場といった感のトヨタのEV化シフト。EV車16台を前にした社長による発表会は大きな衝撃を与えたことでしょう。
実力的にも十分対抗できる実力があるのに、なかなか重い腰を上げなかったトヨタ。そう、周囲は見ていたことでしょう。
長い間世界トップを走り続けてきた企業だけに、素人では考えつかない深い深い考えがあるようです。
そもそも消費者はEVを望んでいるのかい
世界的にEV、EVと騒がれているが、実際消費者はどう思っているのか。内燃機関と比べるとバッテリの寿命、給電の長さ、そして航続距離の短さなどを考えると、どうしても不便を感じてしまう。
なのに、お値段は高め。補助金などの制度を使い、何とか納得できる価格帯まで引き下がりますが、そこまでして、EVカーに乗り換えるかというのがトヨタの中であるのでしょう。
こう書き連ねると確かに、もう少し様子を見てみようと思えてしまいます。
電力需要の逼迫。考えたことありますか?
脱炭素という世界的な潮流を受け、先のCOPでは石炭火力の利用を控えましょうという提案がされましたが、日本をはじめ、いくつかの国でこの提案には同意しかねるという態度を示しました。
昔に比べれば自然エネルギーの利用は進んではいますが、まだまだ火力発電に頼るのが実情。巣ごもりという生活様式の変化もあってから、電力需要は逼迫気味。東京電力が他地域から電力を融通してもらうというのっぴきならない事態も起きています。
このような状況下で、EVカーが増えるとなればさらなる電力需要の逼迫は火を見るより明らか。火力発電により頼るようになり、二酸化炭素の排出も増えること間違いないでしょう。
脱炭素の切り札として掲げられているEVが、回り回って逆に作用しちゃう可能性があることを知り驚きました。
風評被害対策だよ
トヨタがEV大攻勢をぶち上げた最後の理由としては、EVに後ろ向きという、とんでもない風評被害を受けているということ。
海外の環境団体グリンピースが、気候変動対策の対応としてトヨタの下位と格付けしました。
他にも販売台数では1/10のテスラに時価総額で約3倍の差をつけられるなど、株主からの評価も芳しくない。
このような世間の誤解を解消すべく、本気のトヨタを見せるべく、あのような大々的な発表会を開催したのでしょう。
とは言え、全方位は変わらないよ
いろいろと問題山積みではあるものの、EVも今後力を入れていきますよと高らかに宣言し、周囲の雑音を封じ込めたトヨタ。
これで、腰を据えて本格的な脱炭素の取り組みがなされていくのでしょう。
個人的には水素エンジンに期待しており、この仕組みこそが脱炭素の大本命となると思います。
とにもかくにも、EV、PHV、FCV、水素エンジンなど全方位戦略を推し進めるトヨタ。環境配慮型クルマを自由に選べる時代が来るかもしれませんね。