敵対的TOBもありという風潮になるのでは

デサントと伊藤忠の確執

伊藤忠商事がデサントの株をTOBというカタチで4割まで取得することを発表。しかも50%ものプレミアム付という破格の条件で。

そもそも伊藤忠はデサントの親会社的な立場で両者は良好な関係をこれまで築いてきました。

ところが、デサントの韓国に依存する収益構造が危機感を感じた伊藤忠は、再三に当たり戦略の見直しを要求していましたが、待てど暮せど変更する様子はなし。

デサントとすれば、順調に収益も推移しているし、言われるに筋合いはない。自分達の考える道で進むという立場。

こうして両者は平行線を辿り、伊藤忠は株の買い増しを進め、ジリジリと経営への関与を進めていきました。

この対抗策として、デサントはワコールとの提携という伝家の宝刀を抜き、そっちがその気ならということで、両社の確執はどんどん深まっていったのです。

株

TOBと言えば村上ファンド

欧米では古くから当たり前のように行われてきたですが、日本では最近になってから。

この言葉が広く知られるようになったのは、ライブドアによる日本放送の株取得ではないでしょうか。

その時のプレヤーとして彗星のごとく現れたのが村上ファンドですね。

で、その村上さんが日本で初めてTOBを行ったそうです。

村上ファンドによる昭栄のTOB。結果は失敗に終わりましたが、村上さんの著書では再三、上場企業は企業価値向上が責務であると述べています。

なので、内部留保にお金を貯め込むのではなく、次なる成長に投資して株価の向上にと努めなさいと。

株価

村上さんの理想に近づいてきた日本

これまでは株主重視はよろしくない風潮でした。株の持ち合いでは緊張感のない日本にとってはあまりにも刺激だったのでしょう。

既存勢力が拒否反応をするのは無理もありません。

ところが2014年に機関投資家によるスチュワードシップ・コードが導入されると、金融庁は運用会社に顧客本位の業務運営を強く求めるようになりました。

つまるところ、企業価値向上につながる経営をしなさいというわけです。

株価

敵対的TOBもありかなと

これまで乗っ取りのイメージが強かったTOBですが、株価も上がるわけで企業価値向上にもつながる。

ならば、敵対的TOBもやむなしという風潮になるのでは。

てなわけで、伊藤忠とデサントの両社の行方はどうなるのか大変興味深い所です。仮に経営の実権を伊藤忠が握り、収益構造の改善を進め果たして企業価値の向上はなるのか。

はたまた失敗に終わり、再びデサント主導による経営に戻るのか、TOBの普及という点でも、今回の件は注目に値すること思いますよ。